はじめに
近頃、オフィスに観葉植物などの緑を取り入れる「オフィス緑化」が進んでいます。オフィスは、仕事をするために従業員が1日の大半を過ごす場所です。オフィスに緑を少し取り入れるだけでもおしゃれな空間に変わり、働く人々の気分や雰囲気にも良い影響を与えます。オフィス緑化には、従業員のストレス緩和や癒し効果、社内コミュニケーションの活性化など沢山のメリットがあると言われています。
この記事では、オフィスに観葉植物(グリーン)を取り入れた場合のメリットを詳しく解説します。また、どのような植物がオフィス環境に適しているのか、オフィス緑化を成功させるためのポイントは何なのかについてご紹介します。オフィス緑化を進めたい企業や、従業員が働く環境を快適にしたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
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オフィス緑化(グリーン)とは何か?
オフィス緑化(グリーン)は、オフィスに観葉植物や生け花などの自然を取り入れて、緑豊かなオフィス空間を造ることをいいます。植物は人間にとってさまざまな効果が期待できるため、働く環境を改善して従業員の満足度を高めることにも繋がります。また、従業員のワーカーパフォーマンスを高めるための取り組みの一環としてもオフィス緑化は有効です。
▶オフィス緑化の概要
オフィスに観葉植物などのグリーンがあると、なんとなく気分が良くなったり、グリーンが目に入るだけでリラックス効果を得られるような経験はないでしょうか。このようなグリーンが人間に与える良い影響は研究でも証明されており、「グリーンアメニティ」という言葉で定義されています。
オフィス緑化は、健康経営との結びつきの高さでも知られています。健康経営とは、アメリカの臨床心理学者が提唱したものであり、これまで別物として考えられていた経営管理と健康管理を統合し、従業員の健康について経営的な視点で考えることをいいます。この健康経営を進めるひとつの重要な手段として、オフィス緑化によるさまざまな効果が期待されているのです。
▶健康経営だけでなくウェルネスオフィスが関係している?
オフィス緑化は、健康経営だけではなく、ウェルネスオフィスとも関連しています。ウェルネスオフィスとは、建物の設備やIT技術を利用して従業員が心身共に健康で過ごせる環境を作ることをいいます。
快適なオフィス空間は、従業員の活力向上や生産性の向上が期待できます。結果として組織の活性化に繋げて、業績の向上効果が期待できると考えられています。また、ウェルネスオフィスを進めることで、企業の社会的責任活動(CSR)の一環として外部へアピールできるため、企業のブランディング力向上も見込めます。
このように昨今、健康経営やウェルネスオフィスが期待されている背景には、運動の機会減少による肥満や、長時間のデスクワークによる体調不良、在宅勤務による活気の低下などが関係しています。また、健康経営やウェルネスオフィスはSDGs目標にも直結する重要な課題であるため、日本国内だけでなく世界規模で注目されているのです。
オフィス緑化のメリット
ここまでの解説で、オフィス緑化が重要である理由がご理解いただけましたでしょうか。次に、オフィス緑化を進めることでどのようなメリットが期待できるのか詳しく見ていきましょう。
▶① ストレス軽減、メンタルヘルス向上
オフィス緑化には、従業員のストレス軽減やメンタルヘルス向上を期待できます。植物が人間の視界に入ると、精神の安定に繋がる「α波」と呼ばれる電気的信号が増えると言われています。精神が安定することで心拍数を整え、筋肉の緊張状態を緩和させる効果を期待できます。
リラックスできる環境で仕事に向き合うことで、従業員が余計なストレスを感じることなくのびのびとした環境で仕事ができるようになるため、作業効率の向上にも良い影響を与えます。こうした働きやすい環境は従業員の幸福感を高めることにも繋がるため、免疫力の向上や血圧の安定効果も期待できることが研究でわかっています。
▶② 空気を綺麗にする
オフィス緑化は、オフィス全体の空間を綺麗にする効果も期待できます。植物には空気中の有害物質を吸着・分解させる効果があり、私たちにとって有害な二酸化炭素を吸収して酸素を排出してくれる重要な役割を担っています。
どんよりと重たい空気のオフィスで仕事をするより、植物によって空気が澄み切った綺麗なオフィスで仕事をする方が、長時間過ごしていても疲れにくく快適です。
▶③ 目の疲労回復
オフィス緑化には、目の疲労回復効果も期待できます。事務職など内勤の場合、長時間のデスクワークで目の不調を訴える人も少なくありません。眼精疲労が続けば、頭・首・肩などの不調を引き起こすことになり、結果的に従業員のストレスへと繋がってしまいます。
植物はオフィスに置いておくだけで水蒸気を放出してくれるため、ドライアイの軽減効果も期待できると言われています。そのため、オフィス緑化を進める場合には、フェイクグリーンよりも本物の植物を置く方がより効果を実感できます。
▶④ ひらめきや創造力の活性化
植物によって緑があふれるオフィスでは、従業員の集中力や生産性が向上すると言われてます。植物が人間に与えるα波には、記憶力の向上、ひらめき力や創造力の向上を助ける働きがあります。
植物との距離が近いほど効果を期待できるため、オフィスが広い場合や従業員が多い場合には、配置を考慮してあらゆる場所に植物を置くとより効果的です。従業員一人一人のデスクに、自分の好きな植物を飾るよう提案をしてみるのも良いでしょう。
▶⑤ オフィス内のコミュニケーション活性化
オフィス緑化には、社内のコミュニケーションを活性化する作用も期待できます。グリーンがあることによってリラックスできる空間は自然と会話が生まれ、苛立ちや不安をかき消してくれる効果があります。職場では人間関係が良好であることが、ビジネスを円滑に進める上でも、健康で元気に働き続ける上でも重要です。
お互いにストレスを感じることなくリラックスした空間で仕事ができれば、良好な人間関係を築きやすくなります。コミュニケーションが潤沢だと、社内の雰囲気も変わり明るい空間が生まれます。
▶⑥ 訪問客へ良い印象を与える
オフィス緑化は、外部からの顧客や取引相手にも好印象を与えられます。パソコンなどのビジネス機器だけが並んだオフィスより、観葉植物や花が飾られたオフィスの方が明るく良い印象を与えることは間違いありません。
また、植物の置き方によってはパーテーションの役割も期待できます。訪問客と執務室の間に壁になるような緑を設置することで、圧迫感を与えることなく自然なパーテーション効果が期待できるようになります。グリーンによる癒し効果や居心地の良さから、自然と会話もはずむでしょう。ブランディングを考えている企業や、採用面で良い人材を集めたい企業にとっても良い影響を与えるでしょう。
オフィス緑化を成功させるポイント
オフィス緑化を成功させるうえで覚えておきたいポイントを紹介します。せっかくオフィスに緑を取り入れるのであれば、ポイントを押さえてよりオフィス緑化による効果を得られるように工夫しましょう。
▶① 緑視率を意識する
オフィス緑化を進めるうえでは、緑視率にも意識を向けるようにしましょう。緑視率とは、私たちの視野を占めている緑の割合のことをいいます。一般的には13%前後の緑視率が最適だと言われています。25%を超えてくると、緑がやや多く感じるようになります。緑視率は多すぎても圧迫感が出てしまい、うっとおしく感じるようになります。
どこにどのようなグリーンを置くべきか、適切な緑視率を意識してレイアウトを考えるようにしましょう。
▶② オフィス内の雰囲気に合う観葉植物を選ぶ
オフィス緑化では、オフィス内の雰囲気や企業イメージに合う観葉植物を選ぶようにしてください。観葉植物にもさまざまな種類や特性があります。日光にあたったほうが育つ植物もあれば、日光には弱く日陰が適している植物もあります。
また、オフィスの雰囲気や広さによって、植物のサイズや設置個数を検討する必要があります。どのような観葉植物を選ぶべきか、従業員の意見も取り入れながら検討しましょう。
▶③ 手入れがしやすい観葉植物を選ぶ
オフィスの観葉植物は、毎日の手入れがしやすいものを選ぶことも大切です。植物の種類によっては、季節の変化や触るだけでも葉が落ちてしまうものもあります。このような場合、こまめに掃除をしておかないと、人が通るだけでも散らかってしまいます。また、水やりの頻度も植物によってさまざまであり、毎日朝夕2回の水やりが必要な植物もあれば、3日に1回程度の水やりで済む植物もあります。
水のあげ忘れが原因で枯れてしまう観葉植物の場合、水をあげるタイミングなどの管理方法も考えておかなくてはいけません。
▶④ 従業員のウェルネス向上を最終目標にする
オフィス緑化を進める上では、なぜ緑化を進めるのかという目的も明確にしておく必要があります。従業員の心身が健康で過ごせるようなオフィス作りを行うことが、オフィス緑化の本来の目的です。
オフィスにただ植物を置けば良いということではなく、従業員のウェルネス向上のためにはどうしたらいいかということを念頭に置く必要があります。植物の管理に時間や労力を取られてしまいストレスが増えるようなことがないよう、社内でしっかりと相談考慮をした上で決定しましょう。
オフィスにおすすめの観葉植物を紹介
オフィス緑化を進めるうえで、どの観葉植物にするべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。初心者でも管理がしやすい、オフィスにおすすめの観葉植物を2点紹介します。
▶パキラ
オフィス緑化でよく取り入れられる観葉植物は、パキラです。大きく丈夫な葉を持ち、水やりなどのメンテナンス頻度が少ないことが特徴です。
ビル街など、直射日光の少ないオフィスでも育てやすい観葉植物です。成長するスピードも早く、病害虫にも強くサイズの種類が多いので、オフィスに適したものを柔軟に選べます。
▶ポトス
ポトスは、非常に丈夫で育てやすい観葉植物です。ツルを伸ばして成長する特徴があり、美しい白の班模様がついているのが特徴です。
日陰でも枯れず育てやすい特徴があり、葉がたくさん付いていることから空気の清浄化も期待できます。水やりの頻度は時期によっても変わりますが、夏以外は土が濡れた時に水やりをする程度です。初心者でも育てやすい植物ですので、オフィスや家庭でもよく取り入れられています。
オフィス緑化を進める具体的な方法
オフィス緑化を進める上で、実際に何から手をつければ良いのか迷うこともあるでしょう。オフィス緑化を進める具体的な方法について紹介します。
▶オフィスに観葉植物を取り入れるまでの手順
オフィスに観葉植物を適切に取り入れるためには、おさえておくべきポイントがあります。
1. まずは予算を決める
2. オフィス緑化担当者を決める
3. 外注先を決める
4. レイアウトを意識し動線を考える
5. 設置する観葉植物を決める
予算は、設置面積や数、種類、メンテナンスの有無など、イニシャルコストとランニングコストのように、トータル的に考えていく必要があります。植物にあげる水や肥料はランニングコストになるため、どのくらいの費用をかけるべきかよく検討するようにしましょう。ランニングコストを抑えたい場合は、フェイクグリーンを使うことで、コストを抑えおしゃれなオフィスに仕上げることができます。
また、担当者を決めてメインで進めていく人を考えておくことで、対応がスムーズに進むでしょう。もちろん、従業員の希望や意見をしっかりと聞くことも忘れてはいけません。働く人々の邪魔にならない動線、置きたい植物、手入れ方法や誰が管理するのかといった具体的な内容を決めてから、観葉植物を選びましょう。
▶観葉植物はどのように飾ったら良い?具体的な方法
観葉植物の飾り方にもさまざまあり、鉢植えを置く、棚から吊るす、高さを付けて複数の植物を並べるといった複数の方法があります。観葉植物が決まったとしても、どのように飾れば良いのか迷うこともあるでしょう。一番簡単な方法は、手の届く場所に鉢植えの観葉植物を置くことです。水やりや肥料を与えやすく、手の届く場所であれば管理を忘れてしまう心配も少なく済みます。
また、やみくもに植物を設置するのではなく、日々の業務に合わせ動線を妨げないレイアウトを考える必要があります。場合によっては、植物を天井から吊るす、壁に取り付ける、床に人工芝を敷くなどさまざまな工夫ができます。天井から植物を吊るすレイアウトは、オフィスが一気におしゃれに見えるので余裕があればやってみてください。
また、木製のパーテーションに植物を吊るす方法もあります。パーテーションだけだと圧迫感が出てしまいがちですが、少し緑が入るだけでも印象が変わり明るい雰囲気を出すことができます。
限られたスペースのなかで、いかに上手にオフィス緑化を進めていくのかが重要なポイントです。実際に観葉植物を置いた場合の空間を想定し、場合によっては移動や変更を行って自社に最適なオフィス緑化を進めましょう。
オフィス緑化の事例
オフィス緑化は、企業が従業員の働き方や環境を整えるために重要な役割を担います。昨今、大企業を中心にオフィス緑化を進める取り組みが行われているため、実際の取り組み事例を紹介します。
▶テーブルごとに植物を設置する
ミーティングスペースや食堂など、ひとつのテーブルごとに観葉植物やフェイクグリーンを設置している企業があります。テーブルなど目に入りやすい場所に植物のグリーンがあることによりリラックス効果やリフレッシュ効果が生まれ、人々の心を和ませる効果が期待できます。リラックスやリフレッシュにより気分が明るくなり、会議での話し合いや食堂での会話も自然とはずむでしょう。
オフィスが広く、生きた観葉植物を管理するのが難しい場合はフェイクグリーンでも良いでしょう。企業によっては、ミーティングスペースや応接スペースなどに人工芝を敷いて、まるで自然の中で仕事をしているかのようなリラックス空間を演出している場合もあります。
▶木目調の家具と植物を調和させる
昨今では、木の温もりを感じやすい木目調のビジネス家具が増えています。木目調の家具には植物が調和しやすいため、オフィスデザインや空間演出に詳しくない初心者の方でも簡単にオフィス緑化を進められるためおすすめです。
オフィス内にはパソコンや複合機など、機械類がどうしても多くなってしまいます。家具や内装、植物などで自然の中にいるような雰囲気を醸し出すことができれば、従業員のリラックス効果に繋がり、生産効率の向上を期待できるでしょう。
まとめ
オフィス緑化を進めることで、従業員がリラックスした環境で仕事ができ、ストレス緩和や社員同士のコミュニケーション活性化に繋がります。従業員の働く空間が改善されることで、仕事の生産性向上やひらめき力向上など、企業側にとっても良い影響を与えます。オフィスの環境を変えて従業員満足度を高めたい、明るく活気のあるオフィスにしたいと考えている企業の方には、ぜひオフィス緑化を行ってみることをおすすめします。
ただし、オフィス緑化を成功させるためには、植物の選び方や配置などに気を付けなければいけません。オフィス緑化は、植物の種類や配置割合、メンテナンス面も含め総合的に考慮した上で実践しましょう。
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