はじめに
士業として独立開業する際に、必ず用意すべきなのが事務所です。通常の賃貸オフィスでは多くの初期費用がかかるため、比較的安く初期費用を抑えることができるレンタルオフィスの活用が増えています。
レンタルオフィスには、専用の執務スペースのほかに、共用スペース、応接室、会議室、ネットワーク環境など、必要な設備が整っています。もちろん法人登記に必要となる住所を利用することも可能です。
このように、レンタルオフィスは低コストで事務所を確保することができ、業務の効率化も可能となるため、士業の方にとって有効な選択肢の一つとなります。本記事では士業と相性が良いレンタルオフィスの有効性について解説します。
1.士業の開業をサポートするレンタルオフィスとは?
近年はテレワークやリモートワークが一般的となり、起業した方や個人事業主の方も、自宅やカフェで仕事をする機会が増えています。税理士や弁護士、行政書士などの士業を仕事にしている場合は、対面でのやり取りや相談が基本となることもあり、オフィスが必要です。
士業の方は、個人の財務情報や機密情報、法人の企業情報などの重要なデータを取り扱うこともあり、第三者がいるオープンなスペースで仕事をすることはできません。賃貸オフィスを契約する際には保証金や敷金、礼金などの初期費用が発生し、月額賃料や管理費、インターネット代などのランニングコストもかかってきます。
レンタルオフィスを利用することで初期費用や月額費用を軽減でき、さまざまな付帯サービスを利用することが可能です。また、レンタルオフィスを利用することで、士業の方でもより柔軟かつコスト効率的な働き方を実現することができます。
2.士業の独立開業には事務所が必須
士業として独立開業する場合、事務所を構えることが不可欠となります。税理士や弁護士、行政書士などの士業の方にとって、事務所は社会的信用度を高め、顧客からの依頼数を増やすための重要な要素です。
また、国や地方自治体からの許認可を取得するためにも、一定条件以上を備えた事務所を用意する必要があります。
事務所を構える場所は、ビジネスの展開においても重要な要素です。顧客や取引先がアクセスしやすい場所に事務所を構えることで、より効率的にビジネスを展開することができます。また、取引先になるような企業が集積しているエリアにオフィスを構えることができれば、新規開拓の一助になります。
3.士業はレンタルオフィスとの相性が良い
レンタルオフィスは、独立開業する士業の方にとって非常に相性が良いです。
レンタルオフィスでは完全個室の執務スペースと共有の会議室や複合機、インターネット回線を利用することができるため、コストを抑えながら事務所を構えることができます。さらに、受付や電話対応、荷物の受け取りなどのオプションサービスも用意されており、独立したばかりの方にとって手助けとなるでしょう。
レンタルオフィスは柔軟な契約形態が用意されていることが多く、必要な期間だけ利用することができるため、将来的な事務所の拡大や縮小にも対応できます。
レンタルオフィスを利用することで、低リスクかつ低コストで立ち上げが可能なため、スモールスタートしたい士業の方におすすめです。
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4.士業の開業にレンタルオフィスが選ばれる10の理由
税理士や弁護士、行政書士等の士業を開業する際に、事務所としてレンタルオフィスを利用することには多くのメリットがあります。
士業の事務所としてレンタルオフィスが選ばれる理由を10項目に分けて解説します。
▶理由その1:法人登記ができる
士業を開業する場合には、法人登記が必須となります。独立開業するためには、法人格を持つ法人として登記をしなければなりません。法人格を持つことで、ビジネスを行う上で個人のリスクを低減することができ、取引先や顧客からの信頼度も高まるでしょう。
レンタルオフィスは法人登記が可能な物件が多く、自宅を事務所にする場合に発生するプライバシーの問題を解決できます。
さらに、レンタルオフィスによっては開業に関するサポートを提供しています。法人設立に必要な書類や手続きの説明、法務に関する相談サポートなど、法人登記の手続きを円滑に進めることができるでしょう。
関連記事:レンタルオフィスで法人登記はできる!レンタルオフィスのメリットと注意点
▶理由その2:経費を抑えてオフィスを設立できる
レンタルオフィスは、通常の賃貸契約で用意するオフィスと比べて、オフィス維持にかかるコストを大幅に抑えられる点が最大の特徴です。通常のオフィスを借りると、敷金、礼金、賃料、光熱費、インターネット料金、オフィス備品の購入費用など多くの費用が必要となります。
レンタルオフィスであれば、上記のような設備や備品が用意されており、月額賃料を支払うだけで事務所として利用可能です。通常の賃貸契約に比べ、契約期間の定めが短いため長期的なコスト負担も軽減されます。
▶理由その3:契約後すぐにオフィスとして利用できる
レンタルオフィスは、契約後すぐに利用でき、内装工事や配線工事、什器の設置などの準備期間が必要ありません。事務所として必要な機能が最初から整っているため、契約後すぐに仕事を開始できます。
さらに、事業の拡大や縮小によりオフィスを変更する場合でも、レンタルオフィスは柔軟に対応可能です。通常の賃貸事務所では、解約する6ヶ月前に予告するか、賃料6ヶ月分を支払うことで契約を解除できますが、レンタルオフィスでは、比較的短期間で契約を解除できます。
レンタルオフィスを使えば、事業が成長してもすぐに対応できて、事務所を準備するための時間やコストを節約することができます。
▶理由その4:アクセス良好な事務所を押さえられる
レンタルオフィスは一般的にオフィス街や主要駅周辺に立地し、アクセスが便利な場所に事務所を構えることができます。顧客や取引先と対面での仕事が多い士業の方にとっては、アクセス良好な場所に事務所を構えることは非常に重要です。移動時間を短縮することができ、仕事に使える時間を増やすことができるため、生産性向上に繋がります。
さらに、企業が集積している地域に事務所を構えることで、既存顧客からの紹介や口コミで新規の取引先を獲得することにも期待できます。また、周辺には多くの企業が存在するため、商機も多く、ビジネスの発展につながる可能性が高くなるでしょう。
▶理由その5:応接室や会議室で来客応対ができる
レンタルオフィスには、共有で使える応接室や会議室が用意されています。士業の方が顧客との面談を行う際には、これらのスペースが必要不可欠です。しかし、賃貸事務所ではこれらのスペースを用意することがコスト的に難しく、ランニングコストが上がってしまいます。
そのため、士業の方にとってはレンタルオフィスの共有スペースを上手に利用することがおすすめです。日々の清掃は運営会社が行うため、いつでも綺麗な状態の応接室を利用することができます。
また、来客対応や応接室までの案内、ドリンク配膳まで行ってくれるレンタルオフィスもあります。
▶理由その6:必要な時だけ共有スペースを利用できる
レンタルオフィスには大小さまざまな共有の会議室が用意されています。必要な時だけ共有の会議室を利用することができ、来客時や社員同士のミーティングなどにも柔軟に対応できます。
共有スペースを利用するためには追加料金が発生する場合がありますが、使用した分だけ料金が発生するため、ランニングコストを抑えることが可能です。
▶理由その7:雰囲気の良いオフィスは顧客へ好印象となる
オフィスの雰囲気は、顧客への印象形成にとって重要な要素です。レンタルオフィスには複数の応接室や会議室が用意されていることが多く、顧客によって使い分けることができます。
特に重要な商談や優良な取引先を迎える場合には、ハイグレードなオフィス家具を使用した応接室を準備することで、好印象を与えることができます。
▶理由その8:スタッフ数に応じて部屋の変更ができる
レンタルオフィスでは、スタッフの人数に合わせて事務所スペースの広さや間取りを調整できます。住所を変えることなく専用スペースを変更できるため、事業拡大する際にも柔軟に対応できるという点もメリットといえるでしょう。
士業の方は、基本的に少人数で業務にあたるため、電話代行サービスを利用することがおすすめです。このサービスは代表番号にかかってきた電話に対応し、スマートフォンに転送することが可能です。顧客や取引先からの大切な連絡を逃さず、スムーズに業務遂行できるようになります。
▶理由その9:セキュリティ対策が万全である
レンタルオフィスはビジネスで利用することを前提とされているため、セキュリティ対策に力を入れています。具体的には、防犯カメラやオートロックシステム、セキュリティ会社との契約といった対策をしています。そのため、個人情報や機密情報を扱う士業の方にも安心して利用できると言えます。
また、入り口や共有スペース、専用スペースごとにオートロックを導入しているレンタルオフィスは、セキュリティ性が高く、万一のトラブルにも対応できます。レンタルオフィスを見学する際には、セキュリティ対策がしっかりしているかを確認するようにしましょう。
▶理由その10:窓口担当や受付を雇用する必要がない
レンタルオフィスには共用の受付担当者が常駐しているところもあります。この場合、個人で受付や窓口スタッフを雇う必要がありません。レンタルオフィスのオプションサービスとして受付対応や来客対応、郵便物の受け取りなどの秘書的な業務を提供している場合もあります。
5.レンタルオフィスを選ぶ際に押さえておきたいポイント5つ
士業の方が、レンタルオフィスを選ぶ際に抑えておきたいポイントを5つお伝えします。レンタルオフィスによって、提供しているサービス内容が異なりますので、契約する前に確認しましょう。
▶ポイントその1:開業場所の市場調査をする
開業する場所を決めるには、市場調査が欠かせません。契約を検討しているレンタルオフィス周辺には、顧客となる企業がどの程度集まっているかや競合企業の有無を確認しましょう。
さらに、その地域がビジネス中心地かどうかや自宅からの距離も重要です。開業を検討している場所が今後の業務方向性にどのような影響を与えるかも考慮しましょう。
▶ポイントその2:アクセス良好か確認する
レンタルオフィスを検討する際は、駅からの距離を確認しましょう。駅から徒歩でアクセスできるレンタルオフィスであれば、顧客を事務所へ招待しやすくなります。
駅から離れた場所を利用する場合は、駐車場を完備しているところを選ぶことが重要です。車を利用する顧客にとっては、駐車場を探すことは手間になります。駐車場が併設されているレンタルオフィスであれば、安心して事務所に案内することができます。
▶ポイントその3:許認可が降りるかを確認する
契約を検討しているレンタルオフィスが事務所要件を満たしているかを事前に確認することが重要です。士業の方が独立開業する場合、許認可を取得する必要があります。許認可の手続きでは、主たる事務所の住所や電話番号を登録する必要があるため、レンタルオフィスの住所を使用できるかの確認が必要です。
士業の場合、個人情報や企業の機密情報を扱うことがあるため、許認可要件には独立性の高い事務所を構えることが求められます。レンタルオフィスを契約する前に、事務所として登録できる条件が揃っているか確認しましょう。
▶ポイントその4:営業時間が適切か確認する
レンタルオフィスを利用する際には、利用可能時間が自分の働きたい時間帯に合っているか確認することが重要です。特に、個人を主要顧客とする士業の場合、平日の仕事終わりや週末・祝日に商談を行うことが多いため、その時間帯に利用できるかどうかは重要な条件となります。
また、土日や祝日に専用スペースが利用できるとしても、共有の会議室が利用できなかったり、常駐の受付がいない場合もあります。レンタルオフィスの利用可能時間だけでなく、その他サービスの利用時間も確認しましょう。
▶ポイントその5:初期費用を比較する
事務所を契約する際にかかる初期費用を比較しましょう。オフィス探しの選択肢にはレンタルオフィス以外にも、アパートやマンション、賃貸事務所があります。
アパートやマンションの初期費用は、敷金、礼金合わせて賃料2〜3ヶ月が相場です。また不動産会社への仲介手数料1ヶ月分が別にかかる場合があります。
賃貸事務所の初期費用は、敷金、礼金、保証金を合わせて6〜12ヶ月分が相場です。居住をメインとするアパートやマンションよりも高く設定されています。
レンタルオフィスの初期費用は月額賃料の1〜2ヶ月分が相場です。仮に月額賃料が同じだとしても、レンタルオフィスは契約時にかかる初期費用を抑えて利用を開始することができます。
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6.士業がレンタルオフィスを選ぶ際の注意点3つ
レンタルオフィスのサービスは士業の方にとって多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。ここでは契約する前に必ず確認すべき注意点を3つ解説します。
▶注意点その1:完全個室で防音対策がされているかを確認する
契約する専用スペースが完全な個室であるか確認することが重要です。地域や建物の形状によっては、避難経路確保の関係で完全に壁で空間を区切る個室を用意できない場合もあります。完全な個室であっても、防音性が高いかどうかを見学時に確認しましょう。
外部からの騒音が入り込むと、顧客との打ち合わせや面談に支障をきたし、業務に集中できない可能性があります。特に士業など、個人情報を扱う業務に携わる場合は、情報漏洩防止のためにも防音対策は重要です。
▶注意点その2:セキュリティ対策は整備されているかを確認する
セキュリティ対策が整備されているかも確認しましょう。個人情報を扱う士業にとって、施錠システムやインターネットのセキュリティ対策は欠かせません。
特に入り口から専用スペースまでにオートロックの数がどれくらいあるかも確認しておくことが必要です。また郵便受けや宅配ボックスの防犯対策、受付スタッフの常駐や防犯カメラなど館内の防犯対策も重要となります。
セキュリティのしっかりした事務所は、信頼性の向上や集客面での優位性につながることもあるため、重要なポイントです。
▶注意点その3:清潔感があり顧客を招きやすい環境かを確認する
レンタルオフィスを契約する前に、清潔感のある環境かどうかをチェックしましょう。館内の清潔感は重要で、常に清掃が行き届いていることが信用度を高める要素となります。
レンタルオフィスの運営会社がどの程度清掃を行っているかを確認することが重要です。ビル全体の清掃も重要で、管理会社がどれくらいの頻度で清掃を行っているかを確認しましょう。レンタルオフィスの運営会社とビル全体の管理会社が異なる場合もあるため、両方の清掃頻度を確認しておくことが大切です。
まとめ
独立開業するには、事務所の準備が必要で、賃貸オフィスを契約するには多くの初期費用が必要です。
レンタルオフィスを利用することで、賃貸オフィスに比べて低コストで事務所を確保することができ、法人登記や許認可に必要な住所を利用することができます。共有の会議室や応接室、オフィス設備を備えたレンタルオフィスを利用することで、すぐに仕事に取り掛かることができるでしょう。
レンタルオフィスには、事務所の提供に加えて、さまざまなオプションサービスが用意されています。受付業務や郵便物の取り扱い、電話応対などのオプションサービスを利用することで、メイン業務に専念する環境が手に入ります。
士業の方が開業する際には、レンタルオフィスを選択肢に加えることをおすすめします。
札幌のレンタルオフィスなら「さっぽろRオフィス」へ
さっぽろRオフィスは札幌市内のレンタルオフィスを提供することを通して、新しい事業にチャレンジする企業や個人の方を応援している企業です。
独立開業してチャレンジしようとする士業の方を応援するために、入会金や敷金、保証金などの費用は全て0円にしています。さらに、法人登記や許認可申請時に必要となる住所の利用料金も月額費用に含まれています。
北海道の中心である札幌市でレンタルオフィスを探している方や、士業開業のためにレンタルオフィスを探している方は、お気軽にお問い合わせください。各店舗の見学のご予約・お問い合わせはお電話、もしくは下記のフォームからお願いいたします。
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