はじめに
レンタルオフィスで法人登記はできます!レンタルオフィスで法人登記することで、初期費用を抑え、信頼性の高い住所を使用することができるようになります。
ただ、レンタルオフィスを貸し出している事業者が法人登記できないと定めている場合や、すでに同じ住所で同じ社名(商号)で法人登記されている場合などは、法人登記できないことがあります。
本記事では、レンタルオフィスで法人登記をするにはどのような点に注意すべきなのか?口座開設や社会保険の加入は可能なのか?についてわかりやすく解説いたします。
1. レンタルオフィスで法人登記はできる?
結論から言うとレンタルオフィスで法人登記することは可能です。
法律によって、「レンタルオフィスの住所を使用して法人登記してはならない」と定められているわけではありません。
しかし、場合によっては法人登記できないレンタルオフィスがあるので注意が必要です。
2. 法人登記のメリットは?
法人登記のメリットは、節税対策につながる場合があることです。所得に対して発生する税金は個人、事業主が支払う「所得税」と法人が支払う「法人税」の2種類あります。所得税は、所得が増えれば税率も増えます。一方の法人税は、資本金に対し一律の税率であること、役員報酬などを所得税から控除することができます。
そのため、年間所得額が900万を超えると所得税のほうが法人税よりも税率が高くなる傾向にあります。
そもそも法人登記とは、会社(法人)として認めてもらうため、法務局にて登録(登記簿謄本に会社概要等を記録)することです。
登記簿謄本(履歴事項証明書)は、「商号」「所在地」「目的」「資本金」「代表取締役の氏名・住所」「登記日」等、これらの会社の概要を記載します。法人登記後、この登記簿謄本は誰でも閲覧可能です。
3. レンタルオフィスで法人登記をするメリット
▶① 自宅住所を公開する必要が無い
法人登記をする際、必ず所在地を記載する必要がありますが、この所在地(登記簿正本)は誰でも閲覧できます。この所在地にレンタルオフィスの住所を使用することで、自宅の住所を公開する必要がありませんので、事業者個人のプライバシーを守ることが出来ます。
▶② 初期費用を抑えられる
ほとんどのレンタルオフィスには、オフィスに必要な設備(机・椅子などのオフィス家具、ネットワークセキュリティ、高速ネットやWi-Fi環境、固定電話・FAX等)が整っており、自分で用意する手間なく業務に取り掛かることが出来ます。
また、一般的なオフィスを賃貸契約する際に必要な手数料(初回手数料、入会金、など名前を変えた手数料は多々あり)も必要ない場合が多いです。会議室が無料で利用できるレンタルオフィスもあります。
このような理由から、レンタルオフィスを利用することで初期費用を抑えることが出来ます。
▶③ 信頼性の高い住所を使用できる
レンタルオフィスの場合、比較的安く都心部(札幌駅前や大通周辺)のオフィスをレンタルすることが可能です。(一般的に都心部のオフィスは大企業向けに高価で、スペースも広いオフィスが多い傾向にあります。)
法人登記をしたばかりの会社であっても、有名なオフィス街の住所を会社住所として使用することで、社会的信用を高めることに繋がります。
▶④ 法人登記から設立までスムーズなサポートを受けられる
会社設立時は多くの書類作成や手続きに追われることになります。レンタルオフィスの場合、電話応対・郵便受取・秘書代行サービス等のオプションを選択できるオフィスもあります。従業員が少ない起業時でもこのような便利なサービスを活用することで、煩雑な事務作業をスムーズに進めることが出来ます。
4. レンタルオフィスで法人登記する際の注意点
▶① 法人登記できないレンタルオフィスがある
法的にはレンタルオフィスで法人登記することに問題はありませんが、レンタルオフィスを貸し出している事業者が「法人登記できない」と定めている場合があります。
また、「レンタルオフィスの住所利用ができても、法人登記の住所として利用することができない」「業種によっては法人登記すらできない」場合もあります。そのほか、「レンタルオフィス内にあるシェアオフィススペースのみ契約する場合は法人登記できない」等の条件を設けている場合があります。
トラブルを防ぐためにも必ず契約前に確認する必要があります。
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▶② 同一住所で同一商号の登記は出来ない
立地もよく居心地もいいレンタルオフィスとなれば、多数の会社が法人として契約していることも珍しくありません。その際に注意すべきなのが、同一の住所で同一の商号(社名)を使用することは法律で禁じられているということです。レンタルオフィスを契約する前に、同じレンタルオフィス内で同じ商号を使用している会社が無いか調べることが必要です。
【参考】e-Gov法令検索:商業登記法 _ e-Gov法令検索「第二十七条」(同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止)
▶③ 事業の安定したレンタルオフィスを選択する
レンタルオフィスは、レンタルオフィスの運営会社がビルなどの運営場所を賃貸して、そこをオフィスとして使用できるように設備を整えた後に、事業主に又貸ししているケースがほとんどです。そのためレンタルオフィスの運営事業者が廃業すると、オフィスの利用者(事業主)はそのオフィスから撤退しなければいけません。そうなるとすぐに新たなオフィスを探す必要がありますが、自分の条件に合ったオフィスがすぐに見つかるとも限りません。移転登記の申請をする際には、登録免許税という税金の支払いも発生します。
【参考】国税庁:No.7191 登録免許税の税額表 会社の商業登記(主なもの)「本店または支店の移転の登記」
事業が安定しているかどうかを見極める方法としては、公式ホームページ等にきちんと会社概要が掲載されているかを確認する他、信用情報リサーチ会社等で実際の売上を調べることも大切です。また、口コミを確認して悪い評価を受けていないかを事前によく確かめることも必要です。
5. レンタルオフィスで口座開設はできる?
レンタルオフィスで口座開設することは可能です。
しかし、口座開設をする際に一般的な事業所と比べて金融機関の審査に通りづらいという傾向があります。レンタルオフィスで、口座開設する際は、下記の事項に注意する必要があります。
《レンタルオフィスで口座開設する際の注意点》
・資本金が少額過ぎないこと
(資本金は1円からでも法人登記出来ますが、あまりに少額の場合金融機関からの評価は低くなります。)
・自社のホームページを開設していること
・固定の電話番号があること
・事業の目的がはっきりしていること
・事業を行っていることを示す書類を提出できること
(発注書・請求書・納品書、営業許可証等)
※金融機関により審査基準に違いがありますので、1か所で断られた場合は、ほかの金融機関に確認することをお勧めします。
6. レンタルオフィスで社会保険の加入はできる?
レンタルオフィスで社会保険に加入することは可能です。
社会保険の加入は「法人事務所または従業員を常時5名以上雇用している」場合に必要です。
レンタルオフィスでは鍵の付いた専用個室を借りられるため、社会保険に関する各種書類の保管も安全に行えます。
7. レンタルオフィス 法人登記の活用例
最近よく目にするようになってきたレンタルオフィスですが、実際にはどのような状況で活用されているのか事例を交えて紹介します。
▶① 起業するタイミング
少人数、もしくは事業者1名で会社を立ち上げる際に、レンタルオフィスを使用して法人登記するという活用事例もあります。レンタルオフィスであれば1名、2名~6名といった少人数用のスペースを借りることが可能です。また、ブース型個室・完全個室といった部屋タイプを選べる場合もあります。札幌中心部であってもオフィスの賃貸費用を大幅に抑え、完全個室のスペースで周囲に邪魔されることなく業務に専念することが出来ます。
札幌中心部(札幌駅前、大通周辺)にオフィスを構えることで社会的信用も増します。札幌中心部の従来型の賃貸オフィスはスペースが広いことが多く、その分オフィスの賃貸費用は高額に設定されていていることが多いです。小さいスペースで良い起業時にレンタルオフィスを契約するという事例はとても多くあります。
なお、起業時にレンタルオフィスを契約された方が重要視されるポイントとして、月額費用、立地のほかに、長時間ミーティングを行えるスペース、会議室、応接室の有無を気にされる方が多いです。ミーティングスペースや、会議室、応接室を無料で使えるレンタルオフィスも多数あります。
関連記事:レンタルオフィスと相性の良い仕事
▶② 支店・営業所として活用する
新たに事業を拡大し、支店や営業所を増設する際にレンタルオフィスを活用するという事例もあります。レンタルオフィスは短期間だけ契約するという使い方が可能です。数名の社員を、顧客のいる地域の支店や営業所に移動させる際、実際にその営業所で業績が伸びるかを期間限定で検証するという使い方が出来ます。不在にすることが多い支店や営業所の場合、レンタルオフィスの荷物預かりサービスがあるレンタルオフィスを選ぶと良いでしょう。
▶③ オフィスの規模を縮小するタイミング
昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID‑19、以下「新型コロナ」と記載)の影響もあり、リモートワーク(テレワーク)に移行する会社が増加しています。この場合、オフィスに広いスペースは不要になります。レンタルオフィスのほうが賃貸費用を安く抑えられることもあり、オフィスの規模を縮小する会社も増えてきています。
また、新型コロナの影響でサテライトオフィスとしての活用も増えています。サテライトオフィスとは、主にリモートワークをするための、本社や営業所とは別の場所に設置した小規模なオフィスの事です。レンタルオフィスをサテライトオフィスとして活用することで、自宅に仕事をするスペースや環境が整っていないといった問題を解決できます。人員を分散できるため感染のリスクも減らすことが出来ます。実際にサテライトオフィスは、「自宅から通いやすい」「リモートワークの不便解消」などのメリットからご契約いただいているケースが多くあります。
8. バーチャルオフィス・コワーキングスペースとの違い
◎バーチャルオフィスとは?
登記や会社運営に必要な住所・電話番号だけを借りることができます。
※運営会社によっては法人登記に住所を使用できないという契約になっている場合もあります。
固定費を最小限に抑えつつ、名刺や請求書に法人として住所・電話番号を記載できます。
《レンタルオフィスとの違い》
・作業スペースが無い
・一部の業種(古物営業・人材紹介等)では営業許可が降りない
・金融機関の審査がレンタルオフィスより厳しい
◎コワーキングスペースとは?
作業スペースを複数の企業や個人と共有するオフィスのことを指します。
利用者同士のコミュニケーションを重視している点が特徴であり、レンタルオフィスと同じく法人登記が可能です。
少人数で集まれるフリースペースやドア付きの会議室が用意されている場合があり、共有ではありますが必要に応じて使用することが出来ます。イベントやセミナーが多く開催されていることが多いので、利用者同士の新たなビジネスチャンスに繋がりやすいという面もあります。
《レンタルオフィスとの違い》
・専有できるスペースが無い
(作業中に使用できるロッカーが用意されている場合もあります)
・1時間単位から利用できる(レンタルオフィスは月契約が多い)
・他者との交流が期待できる
関連記事:レンタルオフィスとは?特徴、メリットや選び方などをわかりやすく解説!
まとめ
レンタルオフィスで法人登記することは可能です。
また、口座開設、社会保険への加入を行うことも可能です。
レンタルオフィスを使うことで、
1)自宅住所を公開する必要が無い
2)初期費用を抑えられる
3)信頼性の高い住所を使用できる
4)法人登記から設立までスムーズなサポートを受けられる
といったメリットがあります。
レンタルオフィスでは、費用を抑えつつ自分だけのオフィスを持つことが可能です。
レンタルオフィスによっては会社登記できない場合もありますが、このような注意点を理解した上で自分に最適なレンタルオフィスを探してみましょう!
さっぽろRオフィスでは、全ての部屋で法人登記が可能です。
札幌でレンタルオフィスを探しているという方は、ぜひ一度ご相談ください。
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