【目次】
1. シェアオフィスの3形態
① レンタルオフィス
② コワーキングスペース
③ バーチャルオフィス
2. レンタルオフィスの特徴
3. コワーキングスペースの特徴
4. バーチャルオフィスの特徴
5. 3種類のオフィス形態の比較
1.シェアオフィスの3形態
シェアオフィスとは「複数の会社や個人が共有するオフィス」を意味し、レンタルオフィスやコワーキングスペースなどの総称で、形態としては主に3つに分類されます。
①レンタルオフィス
②コワーキングスペース
③バーチャルオフィス
これらに共通する特徴として、敷金・保証金などの初期費用や原状回復などの退居時費用の負担が抑えられることです。これによって、オフィスの設置・移転・撤退を柔軟かつ迅速に決断できるため、事業の状況に適したオフィスを用意できます。
2.レンタルオフィスの特徴
レンタルオフィス(rental office)とは、一定の区画や設備を利用者同士で共有しつつ、各契約者の個別スペースが明確に確保されているオフィス形態を指します。施錠できる専用の個別スペースによってセキュリティを担保できるため、幅広い業種の利用者に適しています。シェアオフィスやバーチャルオフィスに比べて事業用の銀行口座を開設する際の審査での問題点も少ないと言えます。
一般的にオフィスを開設する場合、机・イス・コピー機等のオフィス用品の準備、電話・インターネット・セキュリティ等の契約で手間とコストが生じます。レンタルオフィスならば、事業に必要なこれらのリソースはオフィス事業者によって提供されるため、利用者の負担を最小限度に抑えることができます。
また、レンタルオフィスは月単位の短期契約が可能となるため、期間限定のプロジェクトオフィスを確保したい等、状況に応じた柔軟なオフィス展開が可能となります。
3.コワーキングスペースの特徴
コワーキングスペース(Co Working Space)とは、複数の利用者が業務を行うスペースを共同利用するオフィスのスタイルです。物理的な間仕切りが少ないオープンスペースなので、他の利用者と交流しやすく人脈を広げる機会の多い点が魅力です。シェアオフィスによっては利用者が契約できる専有スペースもありますが、低いパーテーション等で仕切る程度となっていますことが多いです。そのため、レンタルオフィスのような個室とは異なるためセキュリティ面の注意が必要です。
コワーキングスペースには特定の地域や業種にフォーカスしたコミュニティの形成を目的にしたものなど、特色ある運営がなされているケースがあります。利用者の目指すビジネスモデルと相性の良いコワーキングスペースを選択することが重要です。
4.バーチャルオフィスの特徴
バーチャルオフィス(Virtual office : 仮想オフィス)とは、その名の通り物理的実体のない仮想のオフィスをレンタルするサービスです。バーチャルオフィスの主目的は、郵便物受け取り・法人登記の住所確保、電話番号の取得です。バーチャルオフィスは月額数千円から利用できるため、ランニングコストを極力抑えたい個人事業主やスタートアップ企業にとって魅力的なサービスです。
バーチャルオフィスの課題は、仮想オフィスのため社会的信用が弱い点です。同じバーチャルオフィスを利用する他の利用者が法令違反などの不祥事を起こした場合、印象が悪くなるケースが考えられます。
5.3種類のオフィス形態の比較
3種類のオフィス形態を以下のようにまとめました。
レンタルオフィス | コワーキングスペース | バーチャルオフィス | |
専有スペース | 〇 | × | × |
設備・サービス | 〇 | 〇 | × |
利用料金 | △ | 〇 | ◎ |
セキュリティ | 〇 | × | - |
社会的評価 | 〇 | △ | × |
法令等のオフィス要件(*) | 〇 (完全個室) |
× | × |
*一部の士業や人材紹介業などの業種には、法令等で定められた要件を満たすオフィスが必要となります(※ミニ情報)。壁で仕切られた専有スペースがない場合は、基本的にこれらの要件を満たせない可能性が高く、コワーキングスペースやバーチャルオフィスはこのような業種に不適となります。
まとめ
3種類のオフィス形態の特徴を踏まえ、事業規模、業種、ニーズに適したオフィスをフレキシブルに展開することで、環境変化の激しい社会においてもローリスク・ハイリターンな事業運営が期待できます。
※ミニ情報
士業(弁護士・税理士・会計士・行政書士等)、人材紹介業、職業紹介業、古物商、建設業、宅建業、探偵業などは、法令等でオフィス要件が定められています。
専有スペースが設定されたレンタルオフィスであっても建物内の構造や、面積によっては要件を満たさないことがあります。
利用を検討しているオフィスが要件を満たすか不安がある場合は、契約後のトラブルを避けるため、事前に許認可権者や行政書士に相談しましょう。
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