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社会変化に対応する新しいオフィスは

投稿日|2022年4月13日

近年、新型コロナウイルスの感染拡大や働き方の多様化など、労働を取り巻く社会情勢は大きく変化しています。この変化に対応するための方策の一環として、新しいオフィスのかたちを考える企業が増えてきています。 この記事では、そのような社会の変化と、その変化に対応した「新しいオフィスのかたち」について解説します。

1.労働を取り巻く社会情勢の変化

 私生活を顧みず労働に打ち込む「モーレツ社員」の時代も今は昔、現在ではワークライフバランスを大切にした働き方が重要視されています。優秀な人材を確保するためにも、企業には多様な働き方のニーズに応える柔軟な制度の整備が求められるようになりました。従業員の自宅や、通勤に便利なサテライトオフィスを活用したテレワークの導入はその代表例と言えます。
 2020年からは、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための施策として、多くの企業で在宅ワークの導入が急速に進みました。東京商工リサーチの調査によると、最初の緊急事態宣言から1年が経過した2021年3月の時点でテレワークを導入している企業の割合は、大企業で69.2%、中小企業でも33.0%と高い水準を保っています。
 近年ではパソコンの性能向上、高速インターネットの整備、様々なクラウドサービスの充実などによって、一般の家庭でも企業のオフィスに近い水準で業務が行える環境が徐々に整ってきました。このような技術的背景も、状況に応じて従業員の自宅などを活用する柔軟な勤務方式への移行が進んでいる理由の一つと言えるでしょう。

 

2.これからのオフィスの考え方とは?  

 在宅ワークの新しい働き方が普及してきたことで、全従業員が集まって業務を行う場という旧来のオフィス像の見直しを行う企業も増えてきています。
 例えば、早くからテレワークの導入に取り組んできたGMOインターネットグループ会長兼社長の熊谷正寿氏は、テレワークとオフィスを併用する「ハイブリット」型の働き方が必要、これからのオフィスには単なる仕事用のスペース以上の役割があると述べています。つまり、テレワークによって減少しがちな社員間のコミュニケーションの充実や、会社への帰属意識や誇りの源泉となる象徴としての役割です。
 また、パーソル総合研究所の調査によると、テレワークによるコミュニケーション不足の不安は、意外にも若い世代ほど強くなることが分かっています。人間関係の構築途上である若い世代には、対面コミュニケーションが必要とされているようです。

 

3.仕事用のスペースとしてのオフィス

 新しいオフィスの考え方においても、オフィスが仕事用のスペースとしての機能を失うことはありません。しかし、テレワーク導入などの働き方の変化は事業者がオフィスの必要性を見直すきっかけになります。
 例えば、営業部門と総務部門が同じオフィスに集約されている必要はあるのかという疑問が考えられます。営業に適した好立地のオフィスは、テレワークが可能な事務作業を行うための場としては割高となる場合もあります。
 この機会に都市部のオフィスを縮小しオフィス賃料の負担を抑えようというトレンドの一方で、あえてこのタイミングでオフィスへの投資を拡大する企業もあります。有名企業のオフィスが連なるビジネス街にオフィスを構えることで、従業員のモチベーションの向上や、企業のイメージアップを図る狙いが考えられます。
 また、事業拡大や人材の獲得に力を入れるスタートアップ企業にとっては、オフィス需要が流動的なタイミングこそハイグレードなオフィスに手を伸ばす好機といえるでしょう。

 

4.企業のニーズに合わせた新しいオフィスのかたち

 ここまで見てきたように、社会の変化は企業のオフィスのあり方にも影響を与えています。企業のオフィス戦略も多様化している今、オフィスの考え方が今後5年、10年の業績に与える影響に注目が集まっています。
 新型コロナウイルスをきっかけに感染症拡大など不確定要素が増える時代において、オフィス戦略を決断することは企業にとって大きなリスクとなる可能性もあります。なぜなら、日本のオフィスに関する商慣習の中には、企業の将来の柔軟な意思決定を難しくする要素が多く存在するからです。
 例えば、オフィス用物件の賃貸借契約締結にあたり、多くの場合、数年間の契約期間が設けられ、契約期間中の解約には違約金が設定されます。
 また、契約時に必要な保証金(または敷金)は月額賃料の6~12ヶ月分が相場とされています。さらに、退去時には原状回復費用として坪当たり3~12万円程度(※ミニ情報)が必要になると見込まれます。
 近年ではこのような商慣習にとらわれない、レンタルオフィスやシェアオフィスという新しいオフィス形態が注目を集めています。一般のオフィス用物件に比べて初期費用や退去時費用を安価に抑えながら、立地やサービス面でメリットの多い新しいオフィス形態の特徴については別記事で詳しく解説していきます。

※ミニ情報
 オフィス事業を手掛けるKOKUYOの調査によると、1人当たりのオフィス面積の平均は約8.55m2 ≒ 2.56坪 (2013年時点) 。原状回復費用の相場に当てはめると、坪単価3万円の場合で7.7万円×従業員数の費用が必要となる。坪単価12万円であれば30.7万円×従業員数となり、企業にとっては非常に重い負担となることが分かる。

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