はじめに
起業や在宅ワークの需要増により、レンタルオフィスやシェアオフィスといった柔軟なオフィスの利用を検討している方が多くいるのではないでしょうか。シェアオフィスという名前は聞いたことがあるものの、具体的にどのようなサービスを行っているのか知らない方もいると思います。
この記事では、シェアオフィスとは何か?メリット・デメリットも含め詳しく説明していきます。シェアオフィスではなくレンタルオフィスが適している場合についても紹介していますので、オフィス選びの参考にしてください。
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シェアオフィスとは?
まずは、基本となるシェアオフィスとは何かについて説明していきます。シェアオフィスという名前をよく聞くようになったのも最近のことだと思います。シェアオフィスの概要や歴史を知っていきましょう。
▶シェアオフィスの概要
シェアオフィスは、複数の企業や個人でオフィススペースを共有して利用するオフィスを指します。同じフロアで、個室やフリーデスクを借りる方法であり、休憩スペースやキッチンなどの設備がついている場合もあります。
一般的な賃貸オフィスを借りるよりも費用を抑えることができ、短期間から気軽に利用できる点も特徴です。札幌など都心の一等地の住所を手軽に借りることができるため、従業員の柔軟な働き方を実現できます。シェアオフィスは現在、さまざまな業種の企業や個人が利用しており、ランニングコストを抑えながら手軽に利用できるオフィスとして注目されています。
▶シェアオフィスの歴史
そもそも、シェアオフィスはいつどこで生まれたオフィスなのでしょうか。
シェアオフィスの歴史は、2005年頃にアメリカのベンチャー企業にて生まれたと言われています。企業同士やフリーランスのコミュニティ形成を目的としてつくられました。デジタル技術の発展と共にシェアオフィスという形態も広がっていき、2020年頃のコロナ禍によってさらに注目をあつめるオフィス形態となりました。
近頃はあらゆるものに対してシェアリングという言葉が多く使われるようになり、世界のトレンドになっています。オフィスも同様であり、シェアリングすることによって、コストや時間、手間をどれだけ省けるのかという視点が重要視される時代になってきています。テレワークが浸透した現代において、シェアオフィスはさらに広がりをみせていくことが期待できます。
シェアオフィスと他オフィスの違い
シェアオフィス以外にも、レンタルオフィスやコワーキングスペース、バーチャルオフィスと呼ばれるオフィス形態があります。これらの違いについてわかりにくいと感じている方も多くいらっしゃるのではないしょうか。レンタルオフィスやコワーキングスペース、バーチャルオフィスには、それぞれどのような特徴や違いがあるのか説明します。
▶レンタルオフィスとは?
レンタルオフィスとは、入居者専用の個室スペースを貸し出しているオフィスです。自社だけの専用オフィスを確保できるため、固定電話を引くことも私物を置くこともできます。
デスクやイス、ネット回線、複合機など、ビジネス運営に必要な設備がすべてそろっていることもあり、内装工事や設備工事の必要性がありません。一般的な賃貸オフィス契約と比べてコストダウンが可能であり、1名~3名用など少人数でも利用しやすい個室が用意されている特徴があります。フリーランスや中小企業でオフィスを構えたい方にとってもおすすめです。
▶コワーキングスペースとは?
コワーキングスペースは、一つの空間を複数の利用者で共有して利用しながら、他者とのコミュニケーション交流の場として活用できるオフィスです。そのため、自社専用のスペースが利用できるわけではありません。作業するスペースが欲しい方はもちろん、他業種とのコミュニケーションをとりたいと考えている方におすすめです。
人脈づくりに挑戦したい方やさまざまなアイディア発想を求めている方は、コワーキングスペースの利用がおすすめです。コワーキングスペースにもさまざまな利用形態がありますが、予約なしで短時間から利用できて柔軟性が高い点が特徴です。
▶バーチャルオフィスとは?
バーチャルオフィスは、名前からもわかるように仮想空間のオフィスを指します。仮想スペースにオフィスを構えることになりますので、実際に作業できるスペースはありません。作業スペースは必要なく、住所や電話番号だけを借りたい方はバーチャルオフィスの利用をおすすめします。
バーチャルオフィスの住所は一等地の場合が多いものの、その場所で実際に作業することはできませんので、メリットデメリットをしっかりと把握した上で借りましょう。
シェアオフィスの使い方
シェアオフィスはどのような使い方ができるのか、その方法について詳しく分からない方もいると思います。シェアオフィスの使い方について3つのケースに分けて紹介していきます。シェアオフィスの利用を検討している方はぜひ参考にしてください。
▶フリーアドレスでの利用
フリーアドレスとは、自分の席を持たずにその時に空いている席を選んで座る方法です。シェアオフィスやコワーキングスペースでは一般的にフリーアドレスの方式がとられています。昨今ではベンチャー企業や大手企業でも取り入れられている柔軟性の高いスタイルです。
気分で席を選べることもあり、従来のオフィスとは違い開放的な空間のなかで仕事ができます。ソファ席が用意されている場合もあり、カフェのような雰囲気を楽しめるのも特徴です。リラックスした環境のなかで仕事ができたり、固定席ではないからこそ普段は関わることのない業種の人々とも交流しやすいといったメリットがあります。
▶固定席での利用
シェアオフィスは、固定席で利用することもできます。期間を定めたプランであれば、自分だけの専用スペースとして契約することになり、私物や資料を置くスペースもあります。フリーアドレスに比べるとセキュリティやプライバシーに配慮されている場合が多いため、固定席であれば集中しやすい環境で作業を行うことができます。
私物を置くスペースも確保できる分、物を持って移動する手間が省けますし、短期間のみ集中できるオフィスを一時利用したい場合などにはシェアオフィスの固定席がおすすめでしょう。
▶会議室やミーティングスペースの利用
シェアオフィスの利用法として、会議室やミーティングスペースを確保する目的でオフィスを利用するケースも少なくありません。個人事業主など自宅で仕事をしている場合、打ち合わせで自宅に取引先の人を呼ぶのを躊躇してしまう方も少なくありません。そのような場合は、利便性の良い立地にあるシェアオフィスを契約し、会議室やミーティングスペースを利用するという使い方もできます。
シェアオフィスであれば、自宅のように生活音が入ってしまうこともありませんし、集中できるスペースで話ができる良さもあります。シェアオフィスは、会議室やミーティングスペースとしても積極的に活用すると良いでしょう。
シェアオフィスを利用するメリット
シェアオフィスを利用すると、どのようなメリットがあるのか詳しく説明します。
▶① 料金が手軽
シェアオフィスは、通常のオフィスよりも初期費用や光熱費、月額料金を抑えて利用できます。テナントのように、敷金・礼金を支払う必要もありません。スタートアップ企業や個人事業主など、できるだけオフィスへのコスト負担を抑えたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
オフィス料金が手軽だからこそ、必要なときに気軽に利用できるのもシェアオフィスのメリットの一つと言えるでしょう。自社が求めているサービスの内容と料金のバランスも含め検討しましょう。
▶② 設備や家具を揃えなくて良い
シェアオフィスには仕事をするうえで必要な設備は一通りそろっています。そのため、家具やOA機器をそろえる必要がなくなります。シェアオフィスではノートパソコン一つ準備しておけば、すぐに仕事ができます。設備や家具をそろえる手間や費用面でも節約ができるでしょう。運営会社に要望を伝えれば、お気に入りの家具や備品をオフィス内に搬入することも可能です。
シェアオフィスによってはコーヒーやお茶が飲み放題で利用できる場所も多く、快適なスピードのWi-Fiが提供されている場合も少なくありません。スタッフによる定期清掃も入るので清潔な環境を維持しつつ、仕事に集中できる環境が作れます。
▶③ アクセスが良い
シェアオフィスはアクセスの良い、好立地にオフィスを構えることができます。主要駅や駅近でアクセスしやすい場所にあるシェアオフィスが多く、不便さを感じることはありません。毎日シェアオフィスに通うのも負担にならず、取引先との打ち合わせにも便利です。アクセスが良いからこそ、ビジネスの機会も増やしやすくなります。
また、営業活動が多い仕事をしている人は出張や打合せの移動のときに効率の良さを重視できるようになります。出張先として利用することの多い地域にシェアオフィスを契約しておくと、出張先で仕事場を確保しておくことができて便利です。
▶④ 単発で利用できる
シェアオフィスは単発で利用することも可能です。ドロップインと呼ばれる方法になり、1時間から気軽に利用できます。ちょっと出先で仕事をしたいときにも、シェアオフィスを利用すれば集中できる環境を確保できます。
また、1か月だけシェアオフィスを使いたいなどの希望に合わせてプランを選択できるのも特徴です。複数の企業や個人で共有して1つのスペースを使う形態だからこそ実現できる柔軟さがシェアオフィスにはあります。個人事業主や副業などで作業場所が欲しい方の場合、単発で利用できる点は大きなメリットといえます。
▶⑤ 入退去が簡単
シェアオフィスを月契約する場合、1か月単位で借りられるなど契約の縛りが緩い上に、解約に関する制限もそこまでない場合が多いです。入居の際には保証人を用意したり複雑な手続きを行う必要がなく、退去の際にも決められた日付までに解約申し出を行えば、解約手数料などを取られることもほとんどありません。
また、家具家電はシェアオフィスに備え付けられているので退去時に引越しの手間が最小限で済みます。もともとシェアオフィスはサポートが手厚く、ビジネスを円滑に進めるられるように工夫されています。身一つで業務を始められますし、入居しやすく退去しやすいことをコンセプトにしているシェアオフィスも少なくありません。初期費用や内装工事費用を大幅に抑えられるのも入退去がしやすい理由の一つでしょう。
▶⑥ 他の入居者と交流できる
シェアオフィスは、共同スペースで仕事をするため多種多様な業種の人と出会う機会があります。他業種との交流を図れるチャンスでもあり、フリーアドレスの範囲内であれば自由に席を移動することもできます。シェアオフィスを利用する人の多くは共同スペースをいう空間を自ら好んで選択しているため、話しかけることで新しい人脈を作るチャンスが生まれます。
また、交流する機会を通して他の人との情報共有がしやすいのも特徴です。自分や会社にとってプラスになる情報を得られるかもしれません。毎月のオフィスコストを押さえつつ、こうした交流環境を整えられるのはシェアオフィスの良さです。
シェアオフィスを利用するデメリット
シェアオフィスにはたくさんのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。シェアオフィスを利用するうえで覚えておきたい3つのデメリットについて解説します。
▶① 周囲の音が気になる
シェアオフィスのような共同スペースでは、多くの人が交流できるメリットもありますが、周囲の騒音が気になってしまうことも少なくありません。他者の存在で気が散ってしまったり、作業音や話し声が聞こえてしまうこともあります。
多少であれば周囲の音をそこまで気にしない方にとっては騒音に感じるリスクは少ないものの、周囲に騒音があると集中できなくなってしまう方にとっては作業効率を下げる原因となってしまいます。個室のほうが向いている方もいるため、シェアオフィスには向き不向きが出てきてしまうデメリットがあります。
▶② 個室以外ではセキュリティ管理に注意
シェアオフィスの場合、不特定多数で空間を利用する共同職場のようなスペースになります。パーテーションなどの仕切りも基本ないので、PCの内容を他の人に見られてしまわないかセキュリティ面で不安に思う方もいるでしょう。
故意にPCを見る人はいないものの、第三者が集まっている空間だからこそ、セキュリティ面に不安が残ってしまいます。特に個人情報を多く扱っている業種の場合は、シェアオフィスの環境がデメリットになってしまうことがあります。
▶デメリットが気になる場合はレンタルオフィスがおすすめ!
シェアオフィスのデメリットが気になる方は、レンタルオフィスを利用する方法もあります。レンタルオフィスにも様々なタイプのオフィスがあり、半個室もあれば完全個室もあります。完全個室であれば、周囲の音を気にすることもなく、仕事に集中しやすい環境が作れます。作業の途中でも部屋を施錠して離席すれば情報が漏れる心配もありません。
レンタルオフィスは、シェアオフィスのように低価格でオフィスを借りられる上に、デスクやイスなどの家具、インターネット回線やWifi、複合機などのビジネス機器が用意されています。個室でプライバシーを守れる環境が欲しい方にはレンタルオフィスが最適でしょう。
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シェアオフィスを利用している業種は?
実際にシェアオフィスを利用している業種をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてください。
▶コンサルタント業
コンサルティングに関する仕事をしている方は、ジャンルによる多少の違いはありますが、信頼されるような環境づくりが欠かせません。企業の役職クラスの方と対面する機会も多いので、会社としての信頼性や、今までの経験や実績が重視されます。
シェアオフィスであれば、一等地のオフィス住所を借りられますし、会議やセミナーに必要な会場や設備がそろっています。コンサルタント業にとって欠かせないビジネス設備が充実しているのもシェアオフィスの特徴と言えます。
▶Webデザイナーやライター
Webデザイナーやライターのように在宅やフリーランスで仕事をしている方は、自宅ではなくあえてシェアオフィスを利用する割合が増えています。
シェアオフィスであれば自宅やカフェよりも集中できる環境を用意できることや、プライベートとビジネスのオンオフの切り替えがしやすいためです。外部との接触も自然とできるので、クライアント以外の接点を増やすことにもなります。人とのコミュニケーションをとる機会を作れるのもシェアオフィスのメリットです。
▶ネットショップ運営
ネットショップ運営の仕事をされている方もシェアオフィスを利用している割合が多い傾向です。ネット上でも信頼を求められる時代であるため、サイト上に販売者の名前や電話番号、住所を公開することが定められるようになったことが起因しています。
ネットショップを始めたいものの、自宅の住所を掲載することに抵抗がある方もいると思います。シェアオフィスはスペースを確保することはもちろん、一等地にオフィス住所を持てるメリットがあります。そのため、ネットショップ運営との相性がいいと言われています。プライバシーを守りつつビジネスができるのもシェアオフィスの良さです。
まとめ
シェアオフィスは、フリーアドレスや個室席、会議やミーティングスペースなどさまざまな用途で利用できることが理解いただけたでしょうか。単発でオフィスを利用したいときにシェアオフィスを活用するのも良いですし、シェアオフィスであれば入退去しやすいメリットがあるため、希望に合わせた柔軟な利用も可能です。オフィスのコストを抑えつつ、一等地に住所を用意することもできます。セキュリティ面や騒音が心配な場合には、完全個室が用意されているシェアオフィスやレンタルオフィスを選ぶなど、自身の用途に合わせて選択してみてください。
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