はじめに
レンタルオフィスで人材紹介業(有料職業紹介)を開業することは可能です!
人材紹介業の開業を行う場合、厚生労働省が定めているオフィス開業の要件を満たさなければいけません。今まではこの要件が厳しかったため、レンタルオフィスやシェアオフィスなどで人材紹介業を開業する場合には大きなハードルがありました。
しかし、2017年の法改正によってこれまで厳しかったオフィス要件が緩和されたため、レンタルオフィスのような小規模オフィスでも人材紹介業の免許が認められるようになりました。
本記事では、人材紹介業(有料職業紹介)のオフィス開業に必要な条件や、レンタルオフィスがおすすめである理由を解説します。
人材紹介業のオフィス開業における要件とは?
厚生労働省では、人材紹介業のオフィス開業における要件を職業安定法に定めています。この要件を満たさない場合、人材紹介業の免許取得が認められないため、オフィス契約前にしっかりと確認しておく必要があります。
▶2017年の法改正前
2017年の法改正が行われる前は、主に下記のような要件でした。
【周辺環境】 適切な場所に事務所があり、周辺に風俗などの店舗がないこと
【名義人】 事務所の所有者または賃貸の名義人と、事務所の有料職業紹介事業者が同じであること
【 面積 】 事務所の面積は20㎡以上であること
【秘密保持】 求人者や求職者の個人的秘密を保持し得る構造であること
【 認識 】 求職者が職業安定機関などの公的機関と誤認しないこと
上記要件の中でも「面積」「秘密保持」の二つをクリアすることが難しく、20㎡以上の広いオフィスを賃貸した上で、個人情報などの秘密を保持できる空間をオフィス内に用意しなければいけませんでした。
▶法改正後(現在)
2017年の法改正では大幅な要件緩和が行われ、下記を満たしているオフィスであれば人材紹介業の免許取得が認められるようになりました。
【1】 職業紹介の適正な実施に必要な構造・設備を有すること
(個室やパーテーションの設置)
【2】 他の求職者や求人者と同室にならずに対面の職業紹介をできるような措置を講ずること
(予約制の面談、会議室の確保等)
【3】 面談スペース・執務スペースがそれぞれ個人情報が守れる構造になっていること
(貸室ドアやキャビネットにカギが付いている等)
この法改正によって、今まで大きなハードルとなっていた面積に関する要件は撤廃され、パーテーション設置によるスペースも認められるようになりました。
レンタルオフィスのような小規模オフィスでも人材紹介業の開業ができるようになったため、オフィス開設に伴う初期費用が減り、以前と比較すると人材紹介業を開業する負担が軽減されました。
【参考】厚生労働省 労働者派遣事業・職業紹介事業・募集情報等提供事業等
人材紹介業の開業におけるオフィス選びのポイント
人材紹介業としての免許取得をスムーズに行い、かつ安定した事業運営を行うためには下記ポイントを抑えると良いでしょう。
▶個室が設置されているか
職業安定法では「他の求職者や求人者と同室にならないこと」と定められています。そのため、コワーキングスペースのようなオープンな作業空間や、例え個室であってもガラス張りで室内が丸見えとなっているような個室は免許許可が下りない可能性があります。
落ち着いて面談ができる環境が整った個室や、完全個室の会議室が用意されているレンタルオフィスを選ぶことをおすすめします。
▶交通アクセスが良いか
求職者が面談に来やすいよう、街中の好立地にあるレンタルオフィスがおすすめです。特に在職中の求職者の場合、出勤前後に面談に来る可能性があるため、交通アクセスの整っている好立地であれば顧客満足度アップを期待できます。また、人材紹介業者を面談に通いやすい立地で選ぶ求職者もいるため、好立地であればあるほど集客率アップにも直結します。
求職者のみならず人材紹介業で働く従業員にとっても、通勤がしやすい・公的機関へ出向く用事が済ませやすいといったメリットがあります。
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▶安全性や清潔感があるオフィスか
人材紹介業は個人情報を多く扱う業種であるため、セキュリティの安全対策は欠かせません。エントランスにオートロックを設置していたり、オフィス共用部に防犯カメラを設置しているようなレンタルオフィスであれば安心できます。
また、求職者が不快感を持たないよう共用部の廊下やトイレの清掃を細目に行っているレンタルオフィスが望ましいです。レンタルオフィスを内覧する際には、共用部の清掃頻度や管理についての詳細を確認しておきましょう。
レンタルオフィス、シェアオフィス、コワーキングスペースの違いは?
ここまで人材紹介業にはレンタルオフィスがおすすめである理由を解説してきましたが、そもそもレンタルオフィスとは何だろう?と思われる方もいるでしょう。また、レンタルオフィスと混同されやすいオフィス形態として、シェアオフィス・コワーキングスペースが挙げられます。
ここでは、レンタルオフィス・シェアオフィス・コワーキングスペースの特徴や違いについて解説します。
▶レンタルオフィスの特徴
レンタルオフィス(Rental Office)とは、一定の区画や設備を利用者同士で共有しつつ、各契約者の個室が明確に確保されているオフィス形態を指します。施錠できる専用の個室によってセキュリティを担保できるため、幅広い業種の利用者に適しています。シェアオフィスやコワーキングスペースに比べて、人材紹介業や士業などの免許許可が下りやすい傾向にあります。また、事業用の銀行口座を開設する際の審査も通りやすいというメリットがあります。
一般的にオフィスを開設する場合、机・イス・コピー機等のオフィス用品の準備、電話・インターネット・セキュリティ等の契約で手間とコストが生じます。レンタルオフィスならば、事業に必要なこれらのリソースはオフィス事業者によって提供されるため、利用者の負担を最小限度に抑えることができます。
また、レンタルオフィスは月単位の短期契約が可能となるため、期間限定のプロジェクトオフィスを確保したい等、状況に応じた柔軟なオフィス展開が可能となります。
関連記事:レンタルオフィスとは?特徴、メリットや選び方などをわかりやすく解説!
▶シェアオフィスの特徴
シェアオフィス(Shared Office)とは、オフィスの作業スペースを個人や企業で共同利用するオフィス形態を指します。一人用個室や複数名用のテーブル席など様々なタイプのスペースが用意されていますが、レンタルオフィスのように各契約者の専用個室が確保されているわけではありません。
シェアオフィスには不特定多数の人々が出入りする上に作業スペースが共同であるため、セキュリティ面ではレンタルオフィスに劣ります。しかしその分、レンタルオフィスより賃料や管理費などのコストが安価で済みます。コストを掛けずに作業スペースを確保したい場合や、異業種交流によるビジネスチャンス発見を望んでいる場合にはシェアオフィスがおすすめです。
▶コワーキングスペースの特徴
コワーキングスペース(Co Working Space)とは、複数の利用者が業務を行うスペースを共同利用するオフィス形態を指します。シェアオフィスと似ていますが、シェアオフィスは主に作業スペースを提供する空間、コワーキングスペースは主に利用者同士の異業種交流を提供する空間といった違いがあります。
物理的な間仕切りが少ないオープンスペースなので他の利用者と交流しやすく、人脈を広げたりビジネスチャンスを発見できる機会が多くある点が魅力です。コワーキングスペースによっては利用者が契約できる専有スペースもありますが、低いパーテーション等で仕切られた簡易的な個室であることが多いです。レンタルオフィスのような密室性の高い個室とは異なるため、セキュリティ面で注意が必要です。
コワーキングスペースでは、特定の地域や業種にフォーカスしたコミュニティ形成を目的としてイベント開催が行われることもあります。利用者の目指すビジネスモデルと相性の良いコワーキングスペースを選択することが重要です。
▶上記3種類のオフィス比較
レンタルオフィス、シェアオフィス、コワーキングスペースのオフィス形態を以下にまとめました。
レンタルオフィス | シェアオフィス | コワーキングスペース | |
専有スペース | 〇 | △ | × |
設備・サービス | 〇 | 〇 | 〇 |
利用料金 | △ | 〇 | 〇 |
プライバシー | 〇 | × | × |
社会的評価 | 〇 | △ | △ |
法令等のオフィス要件 | 〇 (完全個室) |
△ | × |
まとめ
3種類のオフィス形態を比較した上で、人材紹介業のオフィスに最も適しているのはレンタルオフィスです。レンタルオフィスには壁で仕切られた専用個室や会議室が備わっているため、人材紹介業の免許取得を行いやすいメリットがあります。また、一般的な賃貸オフィスを借りるよりも賃料や管理費が低コストであり、業務を始める際に必要なオフィス家具や備品も揃っています。
さっぽろRオフィスでは、プライバシーを守るための専用個室や無料で利用できる予約制の会議室を標準完備しています。オフィス賃料のコスト削減のため無人運営を図っていますが、エントランスのオートロック機能や共用部に複数台の防犯カメラを設置することによってセキュリティ対策を万全に行っています。
また、1名用~複数名用まで様々な広さのオフィスを用意しているため、人員増減の都合によりオフィスを移動したい場合には柔軟に対応することが可能です。札幌市内で人材紹介業を開業するためのオフィスを探しているお客様がいましたら、ぜひ一度さっぽろRオフィスまでご連絡ください。
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