オフィスの空調とは?基本の仕組みと重要性
オフィスの空調は、中央制御空調にて一元管理された「セントラル空調」が多く見られます。
すべての部屋の空調をシステムで管理しているため、運用に手間がかからないという特徴があります。
ただし、セントラル空調は、ビル全体が統一されてしまうため個別で空調の設定ができない問題も出てきます。
近頃は、個別空調を取り入れているところや、セントラル空調と併用しているオフィスも出てきています。
とはいえ、規模の大きなオフィスでは、セントラル空調が多く管理が難しい状況です。
次にオフィスの空調の役割を見ていきましょう。
▶ オフィス空調の役割と構造
オフィスの空調は、温度調整・湿度調整・循環させる目的を持っています。
空調の機能を通じて、オフィスで働く人たちが快適に過ごせるようにしています。
暑い夏でも、オフィスに入ると冷房が効いていて、過ごしやすさを感じることもあるでしょう。
過ごしやすい環境が整っていると、仕事に集中でき生産性を高める役割も担っています。
▶快適な空気環境が生産性に与える影響
空調は室内の空気を循環させてきれいに維持するための役割も持っています。
エアコンの内部にチリや微粒子を取り除くためのフィルターも備えているため、空気環境を清潔にしてオフィスで働く人の健康を守ってくれます。
特に現代は、企業が従業員の健康への配慮も求められるようになっています。
空気循環が悪い空間では「空気がこもって頭が痛い」「午後になると、睡魔がつらい」などの声を聞くこともあります。
空気環境は、目に見えるものではないので見落としがちになってしまいますが、従業員の健康にも影響する部分でもあるのです。
仕事の生産性や集中力に大きな役割を果たすのが、オフィスの空調と言えます。
オフィス空調でよくある悩みと原因

オフィス空調は、たくさんの人が同時に使っているからこそ、快適な空間を作るのは簡単なことではありません。
エアコンの温度を一定にしていても、人によって体感温度も変わります。
快適な環境のオフィスで過ごせないことが、従業員のストレスになってしまうケースも考えられます。
オフィス空調でよくある悩みや原因を見ていきましょう。
▶席による温度ムラ(暑い・寒い)
オフィス空調で多いのが、席の位置による温度ムラです。
例えば、オフィスでも扉の前に座っていると開け閉めのたびに、外の冷気が入ってくるため寒く感じることもあるでしょう。
窓側に座っていると、日差しが入るため暑く感じることもあります。
オフィスの規模が広いと、その分席による温度ムラが起こりやすくなってしまいます。
席の配置を見直すことによって解決できる場合もありますが、全員が快適な温度で仕事ができるとはいえません。
▶空調の風が直接当たる不快感
オフィスの席によっては、空調の風がちょうど当たってしまう席もあります。
同じ温度に設定していても、空調が当たることで寒さを感じより乾燥しやすくなる人もいます。
空調の風が直接当たる席は体調を崩しやすくなってしまう人もいます。
セントラル空調のように一元管理になると、個別に風向きを変更することもできず不快に感じるようになってしまいます。
▶設定温度をめぐる意見の違い
設定温度は、従業員によって意見が割れる部分だと思います。
そもそも、男女によって体感温度の違いも出てきます。
筋肉量の違いから、男性よりも女性の方が寒さを感じやすいと言われています。
オフィスの室温をあげてしまうと男性は暑く感じてしまい、温度を下げると女性は寒く感じやすくなります。
設定温度は基準を決めていても、全員が快適に過ごせる環境を実現するのは簡単ではないのです。
▶空調音・におい・メンテナンスに関する課題
オフィスの空調の悩みのなかには、古くなってきたことで空調音が気になってしまい、悪臭などの臭いの問題も出てきます。
オフィスの空調が臭う原因にはさまざまなものがありますが、フィルターの汚れによるカビや細菌が関係している場合も考えられます。
エアコンのフィルターは、空気中のホコリや汚れを取り除く重要な役割を持っています。
ただし、適切なメンテナンスができていないと、汚れが蓄積してしまいカビや細菌が繁殖してしまいます。
エアコンの風によって、オフィスに拡散されることで悪臭の原因となります。
古い空調は、消臭機能が働きにくくなるため、より臭いを感じやすくなってしまうのです。
オフィス空調の種類と仕組み

冒頭で簡単に説明しましたが、オフィス空調には、セントラル空調と個別空調の2種類があります。
オフィスの空調を快適に整え、過ごしやすい空間にするためにも、オフィス空調について、正しく理解しておく必要があります。
まずは種類や仕組みについて、どのようなものがあるのか見ていきましょう。
▶セントラル空調と個別空調の違い
セントラル空調は、冷凍機やボイラーなど熱源機器を一箇所に集約しています。
その後、空気調和機を組み合わせ、建物全体に冷気や暖気を運んでいきます。
セントラル空調は、大規模なオフィスビルや、商業施設などで採用されています。
また、セントラル空調は、空調費が共益費などに含まれていることが多く、コアタイム内の利用に限られています。
ビルによって異なりますが、コアタイム以外に使用する場合は、別途費用がかかってしまいます。
個別空調は、オフィスの部屋やフロアごとに空調機器を設置しています。
独立した機器にて管理をしているため、温度、風量の調整が簡単です。
独立した空調ユニットを設置する必要があり、電源のオンオフなども、オフィスごとに行います。
▶各方式のメリット・デメリット比較
セントラル空調のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
・建物全体の温度を一律で管理できる
・コアタイムであれば共益費で費用がかからない
・個々に設備を用意する必要がない
デメリット
・空調の設定を自由に調整できない
・残業などコアタイム以外が多いとコスパが悪い
・風向きの調整も難しい
個別空調のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
・個別に温度設定ができる
・使用していない部屋は電源を切り節電できる
・独立したユニットのため、故障のリスクが少ない
デメリット
・部屋の数だけ設備が必要になる
・メンテナンスの負担が出てくる
・管理を個々に行う必要がある
セントラル空調と、個別空調それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、自社に適した空調タイプを選ぶことをおすすめします。
▶移転やリニューアル時に確認すべき空調ポイント
オフィスの移転やリニューアルを考えている企業にとって、確認してほしいポイントがあります。
具体的にどのようなポイントがあるのか、詳しく見ていきましょう。
・セントラル空調と個別空調の併用ができるか
・VAVのように自動で温度調整をしてくれるか
・築年数がどのくらいの物件か
・費用が共益費に含まれているのか
などは確認しておきましょう。
特に築年数の古いオフィスビルは、空調の調整が難しいものが多く使いづらさを感じることも多くなります。
築浅のオフィスビルは、規模が大きくても、最新鋭の機器を使用している場合が多く、そこまで不便さを感じにくい場合も多いのです。
オフィス空調の悩みを解決する具体的な方法

オフィス空調の悩みを解決し、快適な空間を作り出すための具体的な方法について説明します。
特にセントラル空調のように、ビル側で一括管理されている場合も考えられます。
個別管理ができない場合には、オフィス内でできる対策をしていきましょう。
▶サーキュレーターや風よけで空気を循環させる
オフィス内の温度を調整するために、サーキュレーターを使う方法があります。
サイズの種類も多く、オフィスの広さによって適したサーキュレーターを選びましょう。
空気の基本として、冷たい空気は下に下がり暖かい空気は上に上がる性質を持っています。
そのため、夏に暑いからと冷房をつけても冷気は下にいってしまい、暖かい空気は上にいき混ざり合わない状態になってしまいます。
サーキュレーターを使えば、空気を循環させて温度のムラを緩和してくれます。
サーキュレーターは、温度が控えめでも、空間全体を快適に過ごせるようにしてくれます。
また、空調の風が直接当たってしまい寒さを感じる時は、風よけを使うと不快感を緩和できるようになりおすすめです。
風よけにも種類がありますが、エアコンにワンタッチで装着できるものもあり、風の方向を簡単に調整できます。
他にもデスクの周辺にサーキュレーターや風よけをおくことで、個々に適した温度に調整することも可能です。
▶定期清掃とフィルター交換で効率を維持する
オフィスの空調も、自宅にあるエアコンのように定期清掃やクリーニングが必要です。
エアコンの使用頻度が高いオフィスや、塵やホコリの多いオフィスではフィルターも汚れやすくなってしまいます。
また、喫煙スペースがあると、内部の汚れがひどくなりやすいため、清掃頻度を増やす必要が出てきます。
特に人の出入りが多いオフィスは、塵やホコリも立ちやすくなります。
特に夏に冷房を使い、空調内に結露やカビが繁殖したままにしていると、エアコンを使う時期になってから、カビがオフィスに広まってしまうリスクも出てきます。
エアコンを使う前に必ず清掃を行うようにしておきましょう。
定期清掃のタイミングを3ヶ月に1回行うなど決めておくことをおすすめします。
▶省エネと快適性を両立する温度設定の工夫
省エネと快適性を両立するためにも、季節に適した温度設定に工夫することも重要になります。
例えば、夏場のオフィスでは冷房は26度〜28度が適切だと言われています。
この数字は環境省にて推奨しているものであり、省エネと快適性を追求したものになります。
とはいえ、快適な温度は従業員によって変わります。
サーキュレーターを使って空気を循環させる方法もありますし、除湿機を使うと快適な空間を作りやすくなります。
必要以上に冷やしてしまうと、長時間過ごすことで体調不良の原因となってしまいます。
冬も、設定温度を高くしすぎずに20度〜22度に設定しておくのもポイントです。
省エネと快適性の両立にも繋がりやすくなりおすすめです。
▶社内ルールづくりやIoT制御による改善
オフィスの空調温度を勝手に変えてしまう問題に悩んでいるオフィスもあるのではないでしょうか。
事前に社内の温度は何度以上にするなど、ルールづくりをしておくと安心です。
また、IoT制御のように自動で温度を調節してくれる機能がついていると、快適な温度を維持しやすくなるためおすすめです。
IoT制御がついていると、消費電力も可視化しやすくなり、使用状況をもとに快適な温度や運転を維持しやすくなります。
また、温度制御によってコストの削減に繋がるため、空調を使う頻度の多い企業にとってもおすすめです。
管理面の負担があり導入を悩んでいる企業は、機能性の高い空調設備を導入しているかどうかを確認しておくのをおすすめします。
レンタルオフィスの空調事情とメリット

レンタルオフィスを検討している企業にとって、空調事情が気になっているのではないでしょうか。
レンタルオフィスといっても、セントラル空調もあれば、個別空調を取り入れているオフィスもあります。
空調設備が自社の希望に適しているのかを考えたうえで、レンタルオフィスを選ぶ必要があります。
具体的にどのようなメリットがあるのか、見ていきましょう。
▶レンタルオフィスに多い個別空調方式
レンタルオフィスでは、利用者それぞれが設定できるように個別空調方式が多く見られます。
セントラル空調のように一元管理されていない分、快適な温度に調整しやすく柔軟に対応できます。
一人一人の体調に合わせた温度に調整できるため、寒すぎたり暑すぎたりする心配もありません。
また、調整のしやすさから、省エネにも優れており、故障時のリスクも少なくなります。
▶個別空調による柔軟な温度管理のしやすさ
個別空調では、温度管理が柔軟にできるため快適な温度を作りやすくなります。
執務室はもちろん、休憩室など利用用途に適した空調温度に調整できるようになります。
また、会議室も人が多く集まり使う時はいつもよりも空調を強めに設定する、人が少ない時は弱めにするなどの設定もできます。
状況に適した温度に調整できるなど、柔軟な温度管理を実現できるからこそ、使いやすい方法と言えます。
▶空調管理を任せられる運用の手軽さとコスト面の利点
レンタルオフィスでは、個別空調とはいえ空調管理を任せることも可能です。
例えば、会議室のように、共有で使用する場合適温に調整された空間であれば、会話も弾みやすくなり会議も円滑に進みやすくなります。
運用の手軽さもあり、個別空調の管理面の負担を減らしつつ利用できるのも特徴です。
コスト面も、費用に含まれているため別途かからずオフィスを使用できます。
スタートアップ企業など、管理面の負担を減らし業務に集中したいと考えている会社にとってもおすすめです。
まとめ|オフィス空調を最適化して快適な職場へ
オフィス空調の最適化は、仕事の効率を高め生産性を向上することにも繋がります。
適温とは言えないオフィスでは体調不良の原因となってしまい、仕事に集中できなくなってしまう人もいます。
セントラル空調は、一元管理で負担も少ないものの、オフィスの空調にムラができやすく快適とはいいきれません。
その点、温度を調整しやすい個別空調が便利なのですが、管理面や設備投資など負担に感じることもあるでしょう。
ダクト設計や換気についても、よくわかっていない人も少なくありません。
レンタルオフィスは個別空調で、柔軟に温度調整ができるのはもちろん、コストを抑えつつ運用ができ、快適なオフィスを実現します。
他にも初期費用を抑えつつ契約でき、オフィス開設の負担を減らすことにも繋がるなど、たくさんのメリットが期待できます。
そのため、レンタルオフィスは、オフィス環境をより良いものにしたいと考えている企業にとってもおすすめです。
レンタルオフィスの利用を検討されている企業の担当者の方は、まずは一度見学にいらしてみてください。
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