オフィスにおけるセキュリティの重要性
レンタルオフィスは、家具や設備が揃ったオフィスを手軽に借りられて便利な一方で、なかにはセキュリティ対策に不安があり、利用すべきかどうか迷っている方がいるのではないでしょうか。不特定多数のさまざまな人々が利用しているオフィスであるからこそ、どのようなセキュリティ対策を取り入れているかが重要です。セキュリティ対策が及ぼす影響について、具体的にみていきましょう。
▶なぜオフィスのセキュリティ対策は重要なのか?
事業運営では、個人情報や機密情報など外部に流出してはいけない情報を取り扱う場面が必ず出てきます。もし一度でも流出してしまえば、会社の信用問題や事業存続にも関わります。来客が多い場合や事業関係者以外がオフィスへ立ち入る場面が多い企業であれば、現金や備品の盗難リスクにも備えなければいけません。
オフィスのセキュリティを万全にしておくことは、会社の資産や従業員を守るために必要不可欠であるといえます。令和4年4月1日には改正個人情報保護法が施行され、個人情報などの重要事項を扱う事業者が守らなければいけない事項が追加されました。違反した場合にはペナルティも課されます。昨今の情報社会において、オフィス内のセキュリティ対策は、健全に事業運営を続けていくために欠かせない重要なリスク管理項目となっています。
▶セキュリティが整っていない場合に起こり得るリスク
企業によって、オフィスへ導入しているセキュリティ対策はさまざまです。事業の内容によって行うべきセキュリティ対策が変わってきますので、自社のリスクは何なのかをしっかりと理解した上でセキュリティ対策を考える必要があります。セキュリティが十分に整っていない場合、大きく分けて二つのリスクが考えられます。
まず、物理的なリスクとして、電話の声を第三者に聞かれる、離席した際にPCデータや資料の盗難をされる、現金や切手などの資産を盗難されるといったことが挙げられます。
次に、ネットワーク関連のリスクとして、共有ネットワークを通じて不正アクセスのリスクを高めてしまう、暗号化されていないWi-Fiを利用して情報を盗まれてしまうといったことが挙げられます。
こうしたリスクの確率を少しでも減らすため、オフィスを選ぶ際には、自社が取り入れるべきセキュリティ対策はどのようなものであるか、入居を希望しているオフィスでは自社に適したセキュリティ対策を導入しているかについて確認をしなければいけません。
物理的セキュリティの高いレンタルオフィスの特徴
物理的セキュリティ対策の高いレンタルオフィスとはどのようなオフィスであるか、具体例を挙げて詳しく見ていきましょう。
▶物理的セキュリティ① エントランスのオートロック
エントランスの入退室管理においては、各オフィスでさまざまな対策が取られています。受付に人が常駐している場合もあれば、カードキーや暗証番号の入力を必須にしているエントランスもあります。また、指紋や顔を使った生体認証システムを連動させているレンタルオフィスもあります。
どの程度のセキュリティを求めるのかによっても変わってきますが、自社にとって必要だと思われるレベルの機能があるエントランスロックであるかどうかを確認しておきましょう。
▶物理的セキュリティ② 完全個室
レンタルオフィスのオフィスタイプには、完全個室、天井部分が空いた半個室、パーテーションなどで区切られたオープンスペースなどがあります。セキュリティ面を重視したいのであれば、完全個室が最もおすすめです。
たとえ完全個室であっても、内覧へ行って防音対策の有無をしっかりと確認しておきましょう。防音対策ができていないと、電話やミーティングの音が外に漏れやすくなるため注意が必要です。
半個室やオープンスペースのレンタルオフィスを選ぶ場合は、重要な会議や仕事の際に利用できる会議室があるかどうかを確認しておくと安心です。
▶物理的セキュリティ③ 防犯カメラの導入
オフィス内のセキュリティ対策には、防犯カメラも欠かせません。来訪者の記録はもちろん、何かトラブルがあったときに記録が残っていれば早い解決へ繋がります。オフィス内に防犯カメラがあることで、犯罪の抑止力にも繋がるでしょう。
また、防犯カメラがどの範囲の視野までカバーしているのかも忘れず確認するようにしておきましょう。例えば、エントランスの入退館者を撮っているだけなのか、ミーティングスペースや給湯室などの共有部もカバーしているのかといった点を確認すると安心です。
▶物理的セキュリティ④ 会議室の有無
レンタルオフィスによって、会議室の有り無しは変わってきます。防音設備が充実している会議室がレンタルオフィス内にあれば、重要な会議や打合せの際に重宝します。特にクライアントとの打ち合わせが多いケースだと、レンタルオフィス内に会議室があると何かと便利でしょう。
また、会議室の利用方法や頻度、日頃の利用状況についても確認しておき、必要なときにすぐに利用できるかどうか確認しておくことをおすすめします。
▶物理的セキュリティ⑤ シュレッダーの有無
機密書類を安心して削除するためにも、シュレッダー設備があるレンタルオフィスがおすすめです。なかには自社で用意している場合もあると思いますが、個人事業主や起業したばかりの会社であれば、レンタルオフィスの共用部にシュレッダーがあると便利でしょう。
書類の処分時にはどうしても情報漏洩のリスクが高まるため、細心の注意を払う必要があります。紙だけではなく、USBやディスクも処分できるシュレッダーがあると、より高いセキュリティが期待できます。
▶物理的セキュリティ⑥ 管理会社の見回り頻度
レンタルオフィスの物理的なセキュリティ対策として、管理会社の見回り頻度も確認しておきましょう。受付係や管理会社の社員が定期的にオフィス内に異常がないかどうか見回りをしている場合は安心して入居ができます。
オフィスの見回りを定期的にしていれば設備故障などの異常にもすぐに気づけるため、レンタルオフィス全体の使い心地にも影響を与えるでしょう。あまりにも見回り頻度が少ないと、十分にオフィスを管理できているとは言えません。
ネットワークセキュリティの高いレンタルオフィスの特徴
物理的なセキュリティ対策はもちろんですが、ネットワークセキュリティについても確認しておく必要があります。ネットワークセキュリティには具体的にどのようなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。
▶ネットセキュリティ① SSIDと暗号キーの設定
ネットワークセキュリティでは、個別にSSIDと暗号化キーが用意されているかを確認しましょう。情報を知っている者のみがアクセスできる環境であれば、安全性が確保しやすいといえます。
さらに、ネットにログイン情報を入力する際は、SSL通信を必ず利用するようにしておきましょう。暗号化されていないままだと通信内容が保護されなくなってしまうので、外部より情報が解読されてしまうリスクも高くなります。悪意のある第三者に内容を見られ、個人情報が悪用される恐れがありますので、ネットをよく利用する企業の場合は特に注意して確認をしておきましょう。
▶ネットセキュリティ② ファイアウォールの導入
ファイアウォールは、外部からの不正アクセスから社内のネットワークを保護するためのソフトウェアのことをいいます。ファイアウォールを使うことで、不正アクセスによるデータの改ざんや情報漏洩を防ぐことに繋がります。また、アドレス変換機能もあり、グローバルIPアドレスやプライベートIPアドレスによって、IPアドレスを変換します。アクセス制限の厳しいデータと、そこまでではないデータを分類することも可能です。
ファイアウォールはセキュリティには欠かせない機能になるため、レンタルオフィス内で導入しているかどうか必ず確認しておきましょう。
▶ネットセキュリティ③ 複合機はICカード認証であるか
レンタルオフィスの複合機は、ICカード認証やパスワード認証機能がついているものがあります。認証式の複合機の場合、ICカードやパスワードを使わないとプリントアウトされない仕組みとなります。情報漏洩対策として使えるのはもちろん、印刷物の取り違えや置き忘れを防ぐことにも繋がります。
また、複合機の使用者を制限したり、誰がどのファイルを出力したのかを履歴で確認できる複合機であればさらに安心です。万が一トラブルが起きてしまった時にはこの履歴を追うことで、どのように情報が漏洩してしまったのか経緯を辿りやすいといったメリットがあります。
▶ネットセキュリティ④ 定期的なセキュリティ監視
ネットセキュリティでは、定期的なセキュリティ監視も必要になります。例えば、ネットワークの攻撃を受けた場合に、できるだけ早く情報漏洩のトラブルを察知しなくてはいけなくなります。定期的なセキュリティ監視を行うことで、できるだけ被害を少なくしつつ潜在的なリスクを減らすことに繋がります。
レンタルオフィスで導入しているセキュリティ機器は、サポート体制のしっかりとした企業から提供を受けているものであるか、トラブルがあった際には迅速に対応をしてもらえるのかを確認しておくと良いでしょう。
レンタルオフィスに入居する前に確認すべきセキュリティ事項
レンタルオフィスに入居する前に確認すべき3つのセキュリティ事項について、具体的に紹介します。
▶Wi-Fiや有線は用途に合わせて切り替えができるか
レンタルオフィスによって、Wi-Fiや有線を用途ごとに切り替えできる場合とできない場合があります。自社はどのようなスタイルでネット接続を行うことが多いのか考えた上で、レンタルオフィスの仕様を確認しておきましょう。
Wi-Fiは、使用する場所を選ばずに利用できる点が大きなメリットですが、ハッキングなどのリスクが高まるデメリットもあります。有線でのインターネット接続は「VLAN」を使用しているケースも多く、情報をハッキングされるリスクを大幅に軽減できます。個人情報など機密情報を扱う機会の多い方は、有線を利用できると安心です。用途に合わせて、Wi-Fiと有線のどちらかを選択できる柔軟なレンタルオフィスが理想です。
▶インターネット速度は安定しているか
レンタルオフィスでネットを快適に利用するためには、10Mbps以上の速度であることが理想です。大容量のファイルをダウンロードする時や、大人数でWEB会議を行う場合は、より安定した速度が欠かせません。
特に平日の日中であれば多くの入居者がレンタルオフィスで仕事をしているため、一斉に通信回線を利用することになります。レンタルオフィスの内覧時には、実際に速度テストを行うなどして問題なく動作するかどうかを確認するようにしましょう。
▶セキュリティ脅威があった場合のサポート体制は整っているか
レンタルオフィスでセキュリティ脅威があったときに、どのようなサポートが受けられるのかについても確認しておきましょう。トラブル時の対応方法や迅速さはレンタルオフィスごとに変わってきます。
もしものときに備えて、サポート体制に関するマニュアルについてわかる範囲で確認しておくと、大切な会社情報を守ることにも繋がりやすくなります。管理会社へ24時間連絡が繋がるサポート体制があるレンタルオフィスであればより安心です。
書類や備品の保管方法についても確認
レンタルオフィスでは、ビジネスに必要な書類や備品の保管方法やセキュリティ対策についても入居前にしっかりと確認しておきましょう。下記で具体的に説明します。
▶鍵付きのデスクやキャビネットが完備されたオフィスがおすすめ
セキュリティ対策を重視したレンタルオフィスを選びたい場合は、鍵付きのデスクやキャビネットが完備されているかどうかを確認するようにしてください。鍵付きであれば、貴重品や重要書類を安全に保管できます。キャビネットの鍵は入居者のみが所有することになるため、勝手に開けられてしまう心配もありません。
鍵付きキャビネットは、オフィスの個室内に完備されている場合が多いため、内覧時にサイズ感や仕様を確かめておくと良いでしょう。重要書類の取扱量によっては、備え付けのキャビネットだけでは足りない場合もあるため、追加でキャビネットを借りられるか等について確認しておきましょう。
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▶重要な書類や備品が多い場合はロッカー付きのオフィスがおすすめ
重要な書類や保管する備品が多い場合は、キャビネットでは収まりきらないこともあるでしょう。このような場合は、鍵付きロッカーやトランクルームを用意しているレンタルオフィスがおすすめです。
ロッカーのサイズが選択できるレンタルオフィスや、オフィス共用部や周辺にトランクルームを用意しているレンタルオフィスもあります。荷物が多い企業の場合は、保管したい物のサイズや量を考慮した上で、そのニーズに合ったレンタルオフィスを選ぶことが大切です。
まとめ
レンタルオフィスのセキュリティ対策について、物理的セキュリティやネットワークセキュリティ、荷物の保管方法といった3つの観点から解説しました。レンタルオフィスは不特定多数のさまざまな人々が利用する場所だからこそ、どのようなセキュリティ対策が行われているのか入居前にしっかりと確認しましょう。
また、インターネットの速度や、会議室や書類を保管できるキャビネットの有無なども含め、自社が安心して便利に利用できるレンタルオフィスを選ぶようにしてください。万が一のときに備え、管理会社のサポート体制がどれだけ充実しているかも忘れず確認しましょう。
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