さっぽろRオフィス

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2017/02/27

「一括借り上げシステム」の盲点。

2017-02-27

オーナーに対して、企業が賃貸アパートの一定期間の家賃を保証する「一括借り上げシステム」には、以前から問題点の指摘がありました。
「30年一括借り上げシステム」という話で契約するが、書面には「保証賃料の固定期間10年、それ以降は2年ごとに改定」となっています。
たとえば、営業マンは「30年契約を強調し、(アパート建設のために借りる)銀行ローンの返済分を差し引いても毎月およそ30万円儲かる」と話します。
しかし、10年目以降に保証賃料が改定されるといった事態に。
人気のない物件ならば収入は大幅に下がり、場合によってはローン返済額を下回り赤字に陥る可能性もあります。
これがオーナーの”盲点”。

企業にとっての”うまみ”は、
① オーナーの不安を取り除くことで、高額なアパート建設を促し、建設請負と賃貸保証の両面で収入を確保できる。
② 契約後3カ月間は保証免責期間としており、この期間は家賃収入が全額、企業の懐に入る。
③ 一定期間が経つと賃料が見直されるため、築年数を重ねるにつれ保証賃料が引き下げられる。
 
つけ込まれるオーナーの特徴は、
① アパート建設を、相続税など節税対策という短期的な視点でしか見ていない。
② アパート運営・管理という長期的な視点を軽視している。
 
この手の訴訟は10年以上前からありましたが、また、最近の新聞記事でも取り上げられていました。
 
家賃収入は10年間変わらない契約でアパートを建てたのに、6年後に減額されたとして、愛知県の男性がサブリース大手「レオパレス21」(東京都)を相手に、減額分の支払いを求める訴訟を名古屋地裁半田支部に起こす。
訴状などによると、男性は愛知県知多市に2階建てアパート(20戸)を建て、2005年1月に同社と月額77万7800円のサブリース契約を結んだ。
同社は「30年間、賃料は減額しない」と説明。
契約書では「賃料は当初10年間は不変」と明記されたが、経営難を理由に2011年10月に約10万円の減額を求め、男性はやむなく受け入れた。
しかし、業績の回復後も家賃は戻らないことから、男性は家賃の増額と、交渉を始めた2016年7月からの差額約81万円の支払いを求めている。
また、一部オーナーで作るレオパレス・オーナー会(名古屋市)によると、同様に減額された会員100人以上も訴訟を検討。
前田和彦代表は「倒産すると言われ、やむなく減額を受け入れた人がほとんど」と話す。
解決は、長い訴訟の末の和解となるのが通例のようで、時間と大変な労力が必要です。
このような問題が生じる原因は、サブリース(特にアパート建築請負・賃借一体型)は、実態に即した形で、法律が適用できないことです。
よって、オーナー、またはオーナーになろうとする方が、契約に入る前に自己防衛をする必要があります。
大事なことは、業者作成した書面を基に、しっかり説明させることです。
ポイントは以下の点だと思います。
  
   1.請負契約は途中解除できるのか。
   2.途中解除した場合に違約金等あるのか。手付けはどうなるのか。
   3.一括借上は解除されることがあるのか。あるとしたらどのような場合のなのか。
   4.解除した後の居住者との関係はどうなるのか。
   5.解除になった時のアパート内の付属物はどうなるのか。
   6.家賃保証何年なのか。
   7.家賃保証期間中に減額されることはあるのか。減額されるとしたらどんなときなのか。減額率の上限はあるのか。
   8.建物の保守(修繕等)はどなるのか。保守契約の見通しは大丈夫なのか。変更があることはあるのか。
   9.オーナーに新たな負担が発生することはないのか。どんな負担が予想されるのか。
  10.新たな負担が必要になった時に、それを承諾しなかったらどうなるのか。  
  11.アパート建築後、オーナーが建物の瑕疵を検査できる期間を設ける。
  12.居住者から、建物に関する苦情があった場合は、業者からオーナーに通知してもらう。
最後に、建物に関する苦情は、自分の所有物に関することなので、情報提供してもらう方がよいと思います。
建物の瑕疵で、居住者の生命身体財産が損害を被った場合、最悪、業者だけでなく、オーナーも賠償責任を負う可能性もあります(民法717条)。
 
以上
 

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