さっぽろRオフィス

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2020/11/26

ライドシェア、運営会社の厳しい実態

山崎です

タクシーではない一般のドライバーと乗客をマッチングするライドシェア・アプリ「CREW」の運営会社Azitが、2020年12月28日(月)をもって、同事業を長期休止する旨の告知を出した。
都内や地方の観光地、交通過疎地域などを対象に事業を提供してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大で利用者が激減。

再開時期のメドは立っておらず、このまま事業撤退となる可能性も否定できない。

同社は今後、新規に始めたバイク便のマッチンングアプリ事業に注力するという。

ライドシェアはシェアリングエコノミーの1つで、一般のドライバーが自家用車で目的地まで運んでくれるサービス。
アメリカのUberが世界的に有名。

基本的にタクシーよりも料金設定が安く、別の乗客との相乗りならさらに安く移動できる。
ドライバー側も車さえあれば手軽にお金を稼げるため、アメリカや中国では爆発的な勢いでライドシェアの利用者が広がった。

日本では、こうした一般ドライバーによる客の有償運送がいわゆる、「白タク」行為として道路運送法で禁じられている。
こうした中、日本版のライドシェアサービスとしてスタートしたのが、「CREW」だった。

CREWは乗客が実費に加えて、任意で謝礼もドライバーに支払う。
謝礼は義務ではないため、白タク行為には該当しないという理屈だ。
監督官庁の国土交通省は2018年に出した通達の中で、これを認める見解を示した。

これによって事業性が高く評価され、2018年にはベンチャーキャピタルなどから10億円の資金調達にも漕ぎ着けた。
I T投資も惜しまず、アプリ上で出発地と目的地を入力すれば自動的にドライバーが見つかるシステムを採用し、従業員もアルバイトを含め一時は150人以上にまで増やした。

しかし、事業そのものの収益性が低かった。

CREW事業で会社側が得る収入は、サービスを利用した乗客から徴収するシステム利用料のみ。
サービスを普及させるため、その料金は「1ドライブ20円+1分あたり20円」と安く設定した。
それでも当初期待されたほどはユーザーが広がらず、コロナ以前から事業の採算性は厳しかった。
このため、事業の拡大などに必要な資金を外部に頼ったが、2019年は実際に調達できた金額が予定していた規模を大きく下回った。
やむをえず、同年秋に大幅に人員を縮小し、従業員を20人程度にまで削減。

そもそも日本は諸外国よりもタクシーが拾いやすいうえ、鉄道やバスも普及している。
加えて、いくら安くても、見ず知らずの個人の車に相乗りすることに強い抵抗感を抱く人が多い。
法規制をクリアしてもライドシェアの利用者数は限られ、認知度もまだ低いのが実情。

また、ライドシェアは本場アメリカでも恐喝、性犯罪等のトラブルが発生している。
日本版のライドシェア、認知度が上がっても悪いニュースが出れば事業は頓挫する。
日本の社会に広く浸透するまでの道のりは険しい。

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